2022 年 12 月 15 日
社会保険診療報酬支払基金
理事長 神田 裕二 殿
支払基金からの案内文書に抗議し対応の改善を求めます
全国保険医団体連合会 会長 住江憲勇
「オンライン資格確認導入に向けたご案内」とする文書が 12 月 5 日付で支払基金より送達されてきたとの報告が医療機関より寄せられています。
これについて、以下の点について抗議し、対応の改善を求めます。
12 月 17 日以降に到着した申請用紙も受け付け、申請締め切りを少なくとも 12 月 31 日以降にすること
案内では、「申請用紙でのお申込みについては、令和4年 12 月 16 日必着」と通知しています。しかし顔認証付きカードリーダーの申請締め切りは医療機関向けポータルサイト等で 12月 31 日と案内されてきたものです。従来の締め切りを目前に申請用紙を使用する場合だけに期限を早める合理的な理由はありません。そもそも厚労省は、オンライン資格確認システム導入義務化に対応できない「やむを得ない場合」の対応を年末までに検討するとの方針を示しているところです。中医協では、紙レセプト請求を行う医療機関等における「簡素な仕組み」での対応も検討されています。
支払基金からの案内は、政府・厚労省の方針を見極めた上で申請を慎重に検討していた医療機関をいたずらに混乱させ、申請を強引に促すものです。オンライン資格確認システム導入義務化の対象が、事実上、年末まで最終確定しない以上、カードリーダーの申請締め切りは少なくとも 12 月 31 日以降とし、12 月 17 日以降に到着した申請書も受け付けるよう改善の上、直ちに周知するよう求めます。
中医協の検討結果を踏まえ、申請後のキャンセル・機種変更に対応すること
案内が指定する申請用紙では「※申請書提出後のキャンセル・機種変更はできませんのでご了承ください。」との文言があります。
しかし、医療現場はオンライン資格確認システム導入について冷静に検討する機会を得られないまま現在にいたっています。新型コロナ・インフルの同時流行への対処も求められ多忙を極めています。
自院でのシステム導入の可否を冷静に検討できないまま申請してしまったという相談が当会に寄せられています。カードリーダーの申請後、ベンダーから補助金額を上回る費用を請求され、対応に苦慮するケースも報告されています。
既にカードリーダーは申請していても、中医協での検討結果によって、自院が義務化の対象から外れたり、簡素な仕組みで対応可能だと分かるケースも生じえます。申請後のキャンセル等を受け付けるよう運営を改善し、医療機関に周知するよう求めます。