【談話】NPT再検討会議で成果文書が不採択となったことを憂慮する

2026年5月27日

2026年5月27日
全国保険医団体連合会
非核平和部担当副会長 天谷静雄

 

5月22日に閉幕した第11回NPT(核不拡散条約)再検討会議は今回も議論が対立・紛糾して成果文書を採択できず、失敗に終わりました。

アメリカとイランが非難の応酬をしたこともありますが、失敗の最大の原因は、核保有国側が過去2回に亘り核軍縮への約束を踏みにじり、自国の利益を優先して核兵器保有に固執したことにあります。

中満泉国連事務次長が言うように「核兵器国が第6条にもとづく核軍縮の履行を怠ったまま、核不拡散の義務だけを求めるのは誤り」です。こうした核兵器保有国の姿勢は、そもそもNPT体制への信頼を揺るがし、自国を含め世界を核戦争の危険にさらすものでしかありません。

あらかじめ準備された成果文書案には国連憲章の順守、非核兵器国への核使用・核威嚇を行わない、第6条にもとづく核軍縮の履行や中東非核決議の履行など道理ある項目が盛り込まれ、これを締約国の7割以上が支持しました。これを見れば、核兵器問題をめぐる世界の本流がどこにあるかは明らかです。日本政府は「今回の会議が意義のある成果を収めるべく、外交努力を重ねた」(外務省)と言いますが、唯一の戦争被爆国にふさわしい役割を果たしたとは到底言えません。

今年秋には核兵器禁止条約の再検討会議が予定されていますが、核抑止論を批判して日々前進するこの条約の参加国が増加することと日本の市民運動が世界の市民運動と連帯することこそがますます重要となります。とりわけ、核兵器保有国とその「核の傘」のもとにある諸国の市民運動の役割がいっそう大きなものとなります。唯一の戦争被爆国である日本は、この条約に率先して参加して世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです。

いま国内では、全体の4割を超える749自治体が、日本政府に核兵器禁止条約への署名批准を求める自治体意見書を採択しています。非核三原則の堅持を求める意見書も全国282自治体に及んでいます。(2026年1月現在)

私たち全国保険医団体連合会は、いのちを守る医師・歯科医師として、被爆者支援に取り組んできた経験から「核兵器の非人道性」を問うてきましたが、核廃絶へ向け国際社会と連帯してさらに運動を加速させる決意です。