物価高騰の医療機関への影響調査 「想像以上に厳しい」

昨年1月に比べ「収入減った」65.6%

保団連は3月11日、厚労省内で記者会見を行い、2月に実施した「物価高騰に関する医療機関の緊急影響調査」の中間集計を発表しました。

中間集計結果では、昨年1月と比べた医療機関収入について、65.6%の医療機関(2954件)が「下がった」と回答。そのうち41.6%(1228件)が1割以上の減収となっています。

また、光熱費・材料費の高騰分や人件費について、「診療報酬改定で補填できていない」と回答した医療機関は90%を超えています。

2024年改定は、賃上げや物価高騰への対応が大きな課題とされていたにもかかわらず、今回の調査結果からは医療機関経営は依然として厳しい状況にあることが明らかになりました。

パンデミックに協力できる体力ない… 地域医療にも影響

自由記述欄には、「次の感染症パンデミックが起きても、もう協力できる体力はない。もう限界」、「町のクリニックがなくなると医療崩壊します」など、地域医療への影響も懸念する声が出されています。

会見で保団連の森元主税副会長は、「想像以上に厳しい状況。地域から医療機関がなくなれば、受診抑制を生み、患者の重症化にもつながる。医療機関の機影を安定させ、地域医療を守るために診療報酬の期中改定が必要」と強調しました。

「期中改定で診療報酬の大幅引き上げを」 政府に要請

保団連は今回の調査の結果を受けて11日、「物価高騰に対する医療機関の財政措置の実施」について、石破首相はじめ関係閣僚に要望書を送付しました。

要望事項は、①物価高騰や人件費に対応するため、期中改定を実施し、基本診療料を中心に大幅に引き上げること、②すべての医療機関に対する緊急財政措置を行い、十分な補助を、簡易な手続きで受けられるようにすること―の2点。