党派超え参院選の争点に 75歳以上医療費窓口負担2割化

署名提出集会を開催

国会の会期末が6月15日に迫り、7月には参院選が行われる。保団連はこれまで、75歳以上の医療費窓口負担2割化中止を参院選の争点とすることを訴えてきた。5月19日には国会内で署名提出集会を開催。参加した医師・歯科医師からは、負担増中止に向けて、待合室からさらなる世論を広げていく決意が語られた。

集会では今年1月末から取り組んできた、75歳以上の医療費窓口負担2割化中止を求める署名8万6362筆を提出した。署名総数は、他団体も含め約70万3000筆に達している。全国31カ所をウェブ接続し、医師・歯科医師ら約100人が現地参加した。
「医療費2倍化されれば生活できない」
参加した医師・歯科医師からは、年金引き下げ、物価高騰で高齢者の生活困窮が深刻化する中での負担増実施に強い懸念が相次いだ。
神奈川協会の二村哲理事は、協会で実施した10月からの負担増を知らせる街頭宣伝で「『物価が高騰する中で医療費も2倍化されると生活が立ちゆかない』との悲痛な声が寄せられた」と報告。「保険料を支払う国民が受診時に負担を強いられるのはそもそもおかしい」と訴えた。

「負担増への怒りが話題に」

待合室から世論を広げる多くの取り組みが紹介された。
大阪協会の高本英司副理事長は、「1月から、参院選での2割化中止の争点化を視野に、患者に署名協力を訴えてきた」と述べ、「参院選では、署名の力をぶつけ社会保障を良くしていきたい」と決意を語った。山形協会の中島幸裕会長は、協会の署名の取り組みにはこれまでにない会員参加が得られ、署名に協力した医師から「負担増に対する怒りやコロナ禍での生活の苦しさなどが話題になった」「ティッシュ入り署名の受け取りが良く、若い患者にも快く協力してもらえた」などの報告が寄せられていると話した。
高齢者の家族の 生活も脅かされる
また、岐阜協会の竹田智雄会長は、「負担増が実施されると高齢者370万人だけでなく、その何倍もの家族の生活が脅かされる」と指摘し、「命・健康・人権を守るため粘り強く負担増中止の取り組みを進めていきたい」と強調した。静岡協会の山田美香副理事長は、10月からの負担増開始後の3年間に予定されている「配慮措置」について、「政府は負担増による受診抑制を認識しているからこそ配慮措置も予定しているのではないか。負担増そのものを中止すべきだ」と指摘した。
集会には、立憲民主党、日本共産党の国会議員9人が参加し、2割化阻止に向けて党派を超えて奮闘する決意を表明した。
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集会に参加した国会議員

(敬称略・順不同)
奥野総一郎(衆・立憲)/櫻井 周(衆・立憲)/田嶋 要(衆・立憲)/山田勝彦(衆・立憲)/吉田統彦(衆・立憲)/小西洋之(参・立憲)/宮本 徹(衆・共産)/倉林明子(参・共産)/小池 晃(参・共産)