【待合室から広げる】「国民が主権者」忘れずに

全国保険医新聞 2022年7月5日号より

大阪歯科協会 玉川尚美 さん
大阪歯科協会 玉川尚美 さん

保団連では、「選挙へ行こう」リーフなどを作成し、患者さんに参院選での投票を呼び掛けている。大阪歯科協会の玉川尚美さん(写真)は「国会議員には命と暮らしを守る義務がある」と話す。取り組みの様子を聞いた。

「患者負担増反対」や「保険でより良い歯科医療」の署名はいつも窓口に置いて、患者さんに協力していただけるようにしています。患者さんの中には、新しい署名に、こちらが声をかけずとも署名してくださる方も多いです。

大阪歯科協会では、コロナ禍での医療体制の脆弱化やカジノ推進問題などでも、私たち府民の命と暮らしをないがしろにする行政に対する意思を示す署名に取り組んできました。

診療室で政治的な話をするのは難しいこともありますが、医療や社会保障のことで、医療者や患者さんが困った立場になってしまうのを見過ごさずに知らせ、考えてもらい、より良い社会を求める必要があると思っています。

今度の参院選では、与党と補完勢力が、ウクライナ問題を口実に防衛費のGDP比1%から2%への増強を目指すとしています。防衛費が2倍の10兆円超となれば、なお一層の医療、社会保障の削減や消費税増税にならないでしょうか。さらに政府が言うように周辺国からの脅威を回避できるのか、逆に警戒心を煽ることになるのではと危惧しています。

5兆円の防衛費増加分があれば、公的保険医療費の自己負担(1〜3割)がゼロになるとの指摘もあります。保団連の「選挙へ行こう」リーフを使って、国会議員には私たちの命と暮らしを守る義務があり、国民が主権者であるということを忘れず、選んだ議員がどんな仕事をしているのかチェックしていかなければとお話ししています。