オンライン資格確認「義務化」- 請求妨げる意向調査

会員から苦情 支払基金に抗議

 保団連は7月5日、各地の協会から「オンライン請求の際にオンライン資格確認に関する補助金の案内やアンケートが表示され、回答しないと先に進めなくなっている」との情報提供を受け、支払基金本部に抗議した。

医療機関がオンライン請求システムにログインすると、顔認証付きカードリーダーの補助金の申請期限を示すメッセージが表示され、アンケートに答えないと請求に進めず、会員から苦情の声が寄せられている。
骨太方針2022では、「(マイナンバーカードの保険証利用など)オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023年4月から導入を原則として義務付ける」とした。しかしオンライン資格確認を運用開始した医療機関は、現状では2割程度に留まる。23年4月からの導入義務化は、こうした現状を無視した非現実的なものだ。システムの導入・維持にかかる医療機関の経済的負担や、マイナンバーカードが院内に持ち込まれることによるトラブルの増加、事務負担の発生も問題だ。
今回のオンライン請求システムを用いた医療機関への意向調査は、補助金の申請打ち切りをちらつかせて不安をあおり、カードリーダー申請に誘導しようとするものといえる。

重大事故直後で 不安の声

支払基金本部は保団連の問い合わせに対し、アンケート表示の事実を認めた。保団連からは、4、5月の請求時に重大事故を起こした直後であることから会員医療機関による不安の声が寄せられていることを伝え、オンライン請求システムの目的外利用は即刻やめるべきだと抗議した。