待合室から広げる 社会を変える処方箋

社会を変える処方箋

 

岐阜協会の池庭誠さんは、忙しい診療の合間に75歳以上の医療費窓口負担2割化中止を求める署名を呼び掛けている。取り組みの様子を聞いた。

署名活動に積極的に取り組むようになって3年ほどになります。当院は内科のクリニックですが、診察の合間に少しでも時間があれば「〇〇さんは、10月から窓口負担が増えてしまうご家庭ですか?」と問いかけ、75歳以上の医療費窓口負担2倍化の問題に関心を持っていただけるようにしています。
また、会計の時にはポケットティッシュに折り込んだ署名ハガキを一緒にお渡ししたり、選挙の前には各党の医療政策の違いが分かる保団連のリーフレットも一緒にお渡ししたりしていました。
成果を「見える化」
「署名」というものの実効性に疑問を感じたり、「決められちゃったものはしょうがないよね」という寂しい反応も時にみられますが、「当院からは何筆、岐阜県からは全体で何筆、□□議員さんを介してちゃんと国会に届けましたよ」ということを手書きにして掲示して、「皆さんの声が政治に届いている」ことを「見える化」するようにしています。
嬉しいことに署名活動を重ねるごとに、ご自身の職場などでたくさん署名を取りまとめて持ってきていただける「インフルエンサー」のような患者さんも増えてきました。政治との距離は決して遠いものではなく、選挙以外にも自分たちで社会を改善していける方法があることを伝えていくこともまた、我々の出すべき処方箋の一つではないかと思っています。