2022年歯科診療報酬改定をシリーズで解説する。今回は、電子的保健医療情報活用加算を取り上げる。(全17回)
加算新設も9月末で廃止
オンライン資格確認システムを使って、患者の薬剤情報等を取得・活用した場合の評価として、電子的保健医療情報活用加算が新設された。
施設基準の届出は必要ないが▽オンラインによる請求を行っていること▽オンライン資格確認を行う体制を有していること▽オンライン資格確認に関する事項について当該医療機関の見やすい場所に掲示していること―の条件を満たしていることが必要だ。
マイナンバーカードを用いて、オンライン資格確認システムを通じ、患者の同意を得て薬剤情報又は特定健診情報などを取得し、その情報を活用して診療を実施した場合に、初診料に7点、再診料に4点(月に1回)がそれぞれ加算できる。
患者がマイナンバーカードを持参しても情報取得の同意が得られなかったり、健康保険証を持参したりした場合には、初診料に3点を加算できる。しかし、電子的保健医療情報活用加算は8月10日の中医協総会で、9月末日で廃止となることが決定された。
10月から新点数として再編
同様の点数項目が新たに10月より、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」として新設される。中医協において、電子的保健医療情報活用加算は、マイナンバーカードを持参した患者が診療料を高く払わなければならない仕組みになっているのはおかしいなどとのさまざまな意見が出され、変わったものだ。
施設基準は、▽オンライン請求を実施していること▽オンライン資格確認を行う体制を有していること(厚労省ポータルサイトに運用開始日の登録を行なうこと)▽次の2点を医院の見やすい場所やホームページ等に掲載すること(①オンライン資格確認を行う体制を有していること②患者に対して、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して診療等を行なうこと)―となる。また、情報の取得・活用については、初診時の問診票の標準的な項目に新たな項目として追加される予定だ。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の点数は、施設基準を満たす医療機関で初診を行なった場合は加算1として4点、薬剤情報等を取得した場合は加算2として2点となり、それぞれの条件に応じて初診料に加算する。
現時点では詳細は不明であり、9月以降に出される留意事項通知などでの確認が必要だ。
(歯科社保・審査対策部員 石毛清雄)