第37回保団連医療研究フォーラムは、「新興感染症流行から考える~患者、国民に求められる医療をめざして」をメインテーマに、10月9日、10日の両日、都市センターホテル(千代田区)で開催される。
新型コロナウイルス感染症の流行はすでに3年目に入り、第7波を迎えた。この間、開催予定だった一昨年の岩手の医療研究フォーラムはやむなく中止となり、昨年の岐阜開催は、ウェブ配信を主とした新たな方式で開催された。今年の東京開催も昨年同様、ウェブ配信を主とした方式を引き継ぐことになる。
この3年間で、ウイルスそのものをはじめ、公衆衛生・医療体制の脆弱さ、社会的貧困の顕在化などいろいろなことが明らかになってきた。
1日目の「新型コロナウイルス感染症蔓延による医療機関の影響調査」では、この間新型コロナウイルス感染症流行による受診控えや感染症対策で減収、コスト増を余儀なくされ、感染患者の受け入れや保健所への報告、補助金申請など手間のかかる仕事が増えていることなど、保険医の現状を広く世間に知らせ、医療の向上に役立てていきたい。
記念講演は「新型コロナウイルス感染症の流行制御」をテーマとし、京都大学大学院医学研究科教授である西浦博氏にお話をしていただく。
感染症数理モデルの活用事例の紹介と、今後の流行動向と研究動向について明らかになっていることや保健医療体制に対して、エンデミックまでの過程で今後持続すると考えられる影響についてなどが主な内容となり興味深い講演となるのではないだろうか。
2日目の分科会・ポスターセッションは、残念ながら現地での口演と質疑はなく、オンデマンド配信となり、午前と午後はシンポジウムが開催される。午前は「新興感染症対策と日常診療の確保」、午後は「コロナ禍の貧困」をテーマにそれぞれ現場の第一線にいらっしゃる方をシンポジストに迎え、皆さんと議論していきたい。
今回の医療研が、コロナ禍で改めて明らかになった社会保障の脆弱さを乗り越え、医療をはじめとする社会保障のあり方を再構築するための一助となれば幸いである。
ぜひ全国から多くのご参加をお願いしたい。