【主張】国民主体の政治を実現し、 75歳以上の負担増阻止を

 昨年6月に法律が成立した75歳以上の医療費窓口負担2倍化が、この10月から実施予定だ。しかしまだまだ阻止する方法はある。かつて70~74歳の窓口負担を予算措置(指定公費負担医療制度)により、6年間凍結させたことがある。このことを、広く知らせていくことが必要だ。また、地方自治体による助成制度を求めていくことも重要だ。来年には統一地方選挙が予定されている。住民と距離の近い地方議員は、私たちの要求を無視することはできないであろう。
さらに厚労省の社会保障審議会では、介護保険制度の見直しの議論が本格化しつつある。これまでもたびたび行われてきた利用者の負担割合のさらなる引き上げを狙うもので、医療費窓口負担2倍化に追い打ちをかける悪政と言わざるを得ない。
参院選を経て臨時国会が8月3日から3日間開催され、主に参議院議長・副議長を決めただけで閉会した。コロナ禍のもと、景気低迷、雇用不安、物価高など国民生活は苦難を強いられている。加えて安倍元首相の国葬問題、政治家と旧統一教会との闇の関係、賄賂まみれの東京五輪問題などが急浮上している。8月18日には野党5党から早期の臨時国会召集の要求書が提出されたにもかかわらず、政府・与党は1カ月が過ぎても応じようとしない。野党が要求する臨時国会開催を無視する憲法違反の状態は、昨年の菅政権の時も、一昨年の安倍政権の時も全く同様であり、国民生活を守るという危機感が全く欠如している。
7月の参院選、各党の主張・争点、国民の願いは「景気・雇用対策」であったはずだ。今政府・与党が行うべきは、緊急に国会を召集しコロナ禍・新自由主義の下で困窮する国民生活を立て直すこと、重大な多くの政治課題を国会できちんと論議すること、それらに関して岸田首相自慢の“丁寧な説明”を行うことである。
新自由主義を推し進める政治、自己責任論、劣化・腐敗・私物化の政治からは何としてでも脱却しなければならない。75歳以上の医療費窓口負担2倍化を断固阻止し、その他のさまざまな要求を掲げ、地域から大きな世論をつくり上げ、憲法が輝く国民主体の政治を実現しようではないか。 国政選挙のない“黄金の3年間”に政府・与党のやりたい放題を許してはならない。