7月24日、ウィーンで開催された核兵器禁止条約の締約国会議の報告会が長崎で開催された。
朝長万左男氏の英語のスピーチは凄い反響で「大谷翔平以上のスタンディングオベーションだった」と報告があった。
不参加の日本に対する批判はほとんどなく紳士的な会議だったという。 高校生平和大使は2名が参加。調漸(しらべすすむ)氏からは「(日本の代表が)ここにいなくて、どうして橋渡しができる」というICANのベアトリス・フィンさんのつぶやきの紹介があった。
82歳の被爆者宮田隆さんは現地でかぶったゼッケンを胸に登壇。テレビで見る以上にお元気で、50カ国以上と意見交換ができたとのことだった。
ユース非核特使の山口雪乃さんは元高校生平和大使。現在はKNOW NUKES TOKYOのメンバーとして活動している。「外務省から委嘱されてユース非核特使として参加したのに、委嘱した日本政府の人が一人もいなかったのが残念」と述べた。
不参加の日本に対し、同じ核の傘の下にあるドイツからはベーアボック外相が参加した。7月に長崎を訪れ、被爆者と懇談。ベーアボック外相は8月のNPT再検討会議にも参加された。会議では核保有国と非保有国との分断を克服するために締約国会議に参加したことの意義、両者の仲介の必要性を訴え、被爆者との交流にも触れるという見事な演説だった。
これに対して日本の首相の演説はお粗末としかいいようがない。NPTを維持・強化することが「核兵器のない世界」に向けた唯一の現実的な道であるとしてヒロシマ・アクション・プランを示したが、どうしてナガサキがはいっていないのか。折り鶴を折る暇があったら、ベーアボック外相の爪の垢でも煎じて飲んだらどうだ。(非核平和部員 本田孝也)