コロナ後の医療と社会

コロナ後の医療と社会

第37回医療研を開催 西浦博氏が記念講演

 第37回保団連医療研究フォーラムが10月9、10の両日、東京都内のホテルで開催された。参加者は、「新興感染症流行から考える〜患者、国民に求められる医療をめざして〜」をテーマに、講演やシンポジウムを通して、コロナ禍が浮き彫りにした貧困問題や日常診療の確保について考えた。各企画は後日詳報する。

全国の英知を共有

住江憲勇会長は「コロナ対応における政府の無為・無策で、多くの感染者が適切な医療につながることができず、医療現場は困難を極めた。新自由主義による経済の破壊で国民は窮状極まるが、政府は社会保障を単なる納付と給付に矮小化し、社会的扶養の原則を無視している。所得再分配機能を取り戻し、低診療報酬の困難を跳ね返すため、全国の英知を共有し、大いに学び合いたい」と呼び掛けた。
記念講演は京都大学大学院教授の西浦博氏が「新型コロナウイルス感染症の流行制御」をテーマに、コロナ感染制御の舞台裏や今後の中長期の見通し、解決されていない課題について論じた。
齊藤みち子副会長から、今年の全国共同調査「新型コロナウイルス感染症蔓延による医療機関の影響」の結果が報告された。
日常診療の確保、貧困問題を考える
2日目は2つのシンポジウム「新興感染症対策と日常診療の確保」「コロナ禍が浮き彫りにした貧困問題」が行われ、コロナ禍における保健所や医療現場での対応や、女性や子ども、生活困窮者など社会的に弱い立場に置かれた人々への影響について考えた。
診療現場の実践と工夫、研究を持ち寄る分科会・ポスターセッションには、45の演題が寄せられた。各演題はフォーラム当日を挟んでおよそ1カ月間、保団連ホームページの特設サイトで配信した。