歯科医療の充実に全力
患者と共に幅広い取り組みを
第17回保団連歯科全国交流集会が10月30日、東京都内で開催された。会場とウェブを合わせて全国43協会・医会から160人を超える医師・歯科医師が参加。オンライン資格確認原則義務化撤回の運動や、歯科医療費総枠拡大の取り組みなどについて旺盛な議論が交わされた。集会の最後には、歯科医療界の要求実現に全力を挙げる決議を採択した。
(集会詳報、関連記事は6面)
コロナ禍で経営が深刻化
集会では、田辺隆副会長が、今次改定の問題点や次期改定に向けた課題提起を中心に基調提案した。
提案の中で、この間、政府が強引に進めているオンライン資格確認の原則義務化について、医療機関での対応が政府の想定通りに進んでいない状況や、日本歯科医師会が加藤勝信厚労大臣に対して、やむを得ず対応できない歯科医療機関への配慮を求めたことなども紹介。患者・国民、医療機関の実情を無視したオンライン資格確認義務化の方針に対して、現場の声を基に徹底して撤回を求めていくことを強調した。
また、今次改定の状況を把握するために実施した歯科会員アンケートの中間報告もされた。田辺副会長は、「(医院経営の)見通しが立たない」と回答した割合が昨年(16・5%)よりも増えて20・0%となったこと、「閉院も考えている」との回答が149件あったことに触れ、長引くコロナ禍で歯科医療機関の経営状況は、回復するどころか、深刻さを増していることを明らかにした。
馬場淳副会長が、歯科医療改革提言の改訂版について、検討状況を踏まえて報告した他、全日本民医連歯科部長の岩下明夫氏が、今年5月に発行した『歯科酷書第4弾』の内容を踏まえて歯科医療を巡る状況や課題を紹介した。
オンライン資格確認に多くの発言
参加者からは、オンライン資格確認原則義務化撤回の運動強化を求める多くの発言があった。その他、次期改定に向けた診療報酬改善や、前日に開催された「歯科技工問題を考えるシンポジウム」(「保険で良い歯科医療を」全国連絡会主催)を受けた歯科技工問題に関する意見も多数出された。
集会では最後に、患者・国民と共に歯科医療充実のために全力を挙げることを決議した。