撤回に向けて連携・協同へ
保険証廃止・オンライン資格確認義務化で日弁連と懇談
全国保険医団体連合会(保団連)は11月14日、保険証廃止・オンライン資格確認義務化などマイナンバー政策をめぐり日本弁護士連合会(日弁連)と懇談した。保団連から、住江憲勇会長、宇佐美宏、竹田智雄両副会長が出席し、日弁連からは、芳野直子副会長ほか、情報問題対策委員会の役員ら9人が応対した。(懇談詳報、関連記事は3面)
オン資義務化問題での協同要請
日弁連は人権擁護の観点からマイナンバー行政に関する意見書等を随時発表している。政府の「骨太の方針2022」が示した「保険証の原則廃止」に対しては、「『マイナ保険証』取得の事実上の強制に反対する会長声明」を9月27日に発表している。声明では「保険証の原則廃止」は「『国民皆保険制度』を採用する我が国では、全国民に対してマイナンバーカードの取得を強制するのに等しい」ものであり、マイナンバー法の「任意取得の原則」に反し、「マイナンバーカードの取得を事実上強制しようとするもの」と批判している。また、マイナ保険証は「顔認証システムの利用を事実上強制する」形となり重大なプライバシー侵害であるとして反対している。
保団連は、保険証で受診できる国民皆保険制度を守るため、日弁連に対し、オンライン資格確認義務化撤回運動などでの協同・連帯の強化を呼び掛け、今回の懇談が実現した。
審議手続きも瑕疵多く ―住江会長
冒頭、多忙な業務の合間を縫って駆けつけた日弁連の小林元治会長が「本日の懇談をよろしくお願いしたい」と挨拶。
保団連の住江会長は「日頃、人権擁護、社会正義のため公正な法の支配の実現に向けて活動される貴会に勇気づけられている。懇談に応じていただき感謝する」と応じた。
保団連が実施した実態調査で「1割前後の会員が閉院・廃業も考える(せざるを得ない)」との声が出ていることなどの報告に続き、住江会長は「こうした多大な負担となるオンライン資格確認義務化を閣議決定(骨太の方針)で課した上、中医協ではわずか7施設の医療機関に導入のメリットだけを聞いて追認した。このような仕方は適正手続きとはいえない。法律が委任する想定範囲を超える内容を省令(療養担当規則)に記載した上、『保険医取り消しも可能』と脅して推進する仕方は断じて許し難い」と指摘した。