医療現場と患者の声を国会へ

医療現場と患者の声を国会へ

 保団連は2月16日、国会議員要請と「ストップ!負担増」国会内集会を開いた。集会では、保険証廃止反対署名の反響や、医療費負担増に苦しむ患者の声、歯科医療充実を求める動き、オンライン資格確認義務化で混乱する医療現場の様子などが報告され、6人の国会議員が駆けつけた。

「病院に保険証廃止反対ポスターが」―SNSに歓迎の声

今国会で保険証廃止法案が出されるという報道を受けて、中央社会保障協議会の保険証廃止反対バナーが一晩で30万回視聴され、署名も2カ月間で20万筆に上るなど注目を集めているという。マイナンバー制度反対連絡会事務局長の原英彦さんは、SNSに「自分が通っているクリニックに、保険証廃止に反対するポスターが張ってあった」「署名用紙が置いてあった」と喜ぶ投稿が寄せられていると報告。「自分の主治医が、患者を守ために闘ってくれていることを喜ばないはずがない。私も、そうした先生方と一緒に闘い抜くつもりだ」と決意を語った。

「受診できても薬代を払えない」

長野協会役員の林春二氏は「協会が取り組んできた署名の自由記述で最も多かったのは、年金や賃金が上がらない中で、医療費や食品の値上げに対する不安や不満の声だ」と話し、「受診はできても薬代が払えない」「お金がなくて病院に行けない」など患者らの悲痛な声を紹介した。

自治体の健康推進担当課からも署名

宮城協会役員の横堀育子氏は、保険でより良い歯科医療を求める署名について「複数の自治体の健康推進を担当する課から署名が集まっており、地域の声を反映した訴えだと確信している。引き続き、あらゆる機会をとらえて呼びかけていきたい」と語った。

患者と医療者を結ぶ「命のきずな」

愛知協会役員の橋詰義幸氏は、保険証廃止反対署名を県内の新聞に折り込んだところ、10日間で返信が2千通以上と大きな反響が寄せられていることを報告。「声を上げたかった」と喜ぶコメントが紹介された。
保団連の宇佐美宏副会長は「署名は医療者と患者を結ぶ『命のきずな』だ。ぜひ協力してほしい」と呼びかけた。

オン資導入しても保険証廃止「反対」

オンライン資格確認義務化については、大阪協会役員の落合英一氏が会員アンケートの結果から、「操作が複雑で患者が使いたがらない」「スタッフが高齢で対応できない」など、混乱する医療現場の様子を報告した。また「導入してよかった」との回答が4割に上るが、その中でも「義務化はおかしい」「保険証の廃止には反対」とする意見が寄せられているという。