健康保険証廃止に伴う高齢者施設、介護事業所、障害者施設等への影響調査

報道機関 各位

 

全国の特養・老健施設 1000施設の意見

健康保険証廃止に伴う高齢者施設等への影響調査

記者発表(4/12)のご案内

 

全国保険医団体連合会

 

当会は、全国の医師・歯科医師10万7千人で構成する医療団体で、保険医の生活と権利を守り国民医療の向上をめざしています。3月24日から4月7日に全国の特別養護老人ホームや老人保健施設等を対象に健康保険証廃止に伴う高齢者施設等への緊急影響調査を実施しました。4月12日に報道機関の皆様に発表させていただきます。施設関係者、当事者(認知症の方の家族)が現場の実態を報告します。

日 時:2023年4月12日(水)13時―15時

会 場:全国保険医団体連合会会議室 4階会議室

※WEBでの参加も可能です。

発表者:全国保険医団体連合会会長 住江憲勇(医師)

全国保険医団体連合会副会長 竹田智雄(医師)

認知症の人と家族の会   代表理事 鈴木森夫

七野会・特別養護老人ホーム原谷こぶしの里施設長 介山篤

社会福祉法人 七野会 井上ひろみ

<発表内容>

政府は、2024年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナカードに一体化する法案を今国会に提出しました。4月14日にも衆議院で審議入りとも言われています。健康保険証の廃止は、要介護高齢者などマイナカード取得・利用・管理が困難な方に重大な影響を与えます。政府は、マイナカードによる保険資格確認を基本とする方針を示しており、困難な方への対応として▽マイナカードの申請・代理交付等の支援について施設職員や支援団体等に協力要請する▽施設長が施設入所者分のマイナカードを管理し、さらに、医療機関・薬局の受診等の際にマイナカードを介助者など第三者に預ける場合等の対応を検討するとしています。

しかし、マイナカードは公的個人認証機能を有しており、マイナカードとスマホ、暗証番号があればマイナポータル(ウェブサイト)上で各種公的手続きができるなど、「実印」と同等の機能を有します。そのため、社保審医療保険部会でも「暗証番号を第三者である施設長に知られることは、通常の感覚では不安が多い」、「マイナカードと暗証番号で自身のマイナポータルにアクセスされるのではないか等の不安から、本人や家族の同意が得られない」と強い懸念が出されています。このままではカード管理が困難な方の医療アクセスが制限されるだけでなく、利用者・入所者の健康保険証を管理してきた介護・高齢者福祉関係者にとって多大な負担となり、無用な混乱・トラブルを招きかねません。

記者発表では、①健康保険証廃止に伴う介護・高齢者施設等への影響調査の発表②患者・家族の立場からの影響③高齢者施設の立場から影響をそれぞれ報告します。

健康保険証廃止に伴う高齢者施設、介護事業所、障害者施設等への影響調査

当会は、全国の医師・歯科医師10万7千人で構成する医療団体で、保険医の生活と権利を守り国民医療の向上をめざしています。https://hodanren.doc-net.or.jp/

政府は、2024年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナカードに一体化する法案を3月7日に国会に提出しました。当会が昨年11月に実施した調査(回答:8707件)では医療現場でのカード紛失や不慣れな患者への対応、システムトラブル等による診療継続が困難となる等、マイナカード一本化による医療現場や患者への弊害の指摘が相次ぎました。しかし、デジタル庁は、2月17日のマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会において、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードによる資格確認を基本とする方針「中間とりまとめ」を策定しました。

 

施設側にマイナカードの申請、管理を押し付け

 

「中間とりまとめ」では、▽任意原則であるマイナカード取得の事実上の強制につながる、マイナカードと保険証の一体化を加速化する▽要介護高齢者等が保険診療を利用する際もマイナカード利用を基本とする▽そのために要介護高齢者などマイナカード取得・利用・管理が困難な方への対応として、①マイナカードの申請・代理交付等の支援について施設職員や支援団体等に協力要請する②施設長が施設入所者分のマイナカードを管理し、さらに、医療機関・薬局の受診等の際にマイナカードを介助者など第三者に預ける場合等の対応を検討するとしました。

マイナカードは公的個人認証機能を有しており、マイナカードとスマホ、暗証番号があればマイナポータル(ウェブサイト)上で各種公的手続きができるなど、「実印」と同等の機能を有します。政府審議会でも「暗証番号を第三者である施設長に知られることは、通常の感覚では不安が多い」、「マイナカードと暗証番号で自身のマイナポータルにアクセスされるのではないか等の不安から、本人や家族の同意が得られない」と強い懸念が出されています。

 

介護事業者に新たなシステム整備も

 

政府は医療・介護のDX推進は、患者の利便性が向上するとともに、質の高い医療・介護が実現すると強調し、マイナカード取得をデジタル社会のパスポートと位置づけ、健康保険証廃止に続き、介護保険の被保険者証も廃止を検討しています。任意取得が原則のマイナカードを保険証(資格確認)として利用するために医療機関・薬局でオンライン資格確認のシステム整備を義務付け、多額の持ち出しにより閉院に追い込まれる医療機関も出ています。

介護保険の被保険者証のマイナカード化により介護事業所にも新たなシステム整備を求められるだけでなく、カードの取得・管理・利用の際に医療・介護・福祉関係者に多大な負担と無用な混乱やトラブルを押し付けられることは必至です。そのため健康保険証廃止、マイナカードありきの運用による医療・介護、障害福祉の各現場での影響を明らかにするための影響調査を実施します。ご協力のほどよろしくお願いします。

 

健康保険証廃止に伴う高齢者施設、介護事業所、障害者施設等の影響調査

(調査表)

 

1.施設の種類

□特別養護老人ホーム □老人保健施設  □障害者支援施設

□養護老人ホーム   □ケアハウス   □グループホーム

 

2.事業地の都道府県

都道府県 (        )

 

3. 政府は24年秋に健康保険証廃止を廃止する法案を国会に提出しました。健康保険証廃止についてどのようにお考えですか

  □ 賛成

□ 反対

□ どちらもでもない

 

4. 政府は2025年以降に介護保険の被保険者証も廃止を検討する方針を示しています。介護保険被保険者証の廃止についてどのようにお考えですか

  □ 賛成

□ 反対

□ どちらもでもない

 

5.利用者・入所者の健康保険証を施設で管理していますか

□ 管理している

□ 管理していない

 

6-1.利用者・入所者のマイナカード申請(代理)について

□ 対応できる

□ 対応できない

6-2.「対応できない」と答えた理由は(複数回答)

□ 本人の意思確認ができない

□ 手間・労力がかかり対応できない

□ 本来業務ではない

□ 行政職員が対応すべき

□ その他 (                        )

7-1.利用者・入所者のマイナカード管理(暗証番号含む)について

□管理できる

□管理できない

7-2.「管理できない」と答えた理由は(複数回答)

□ カード・暗証番号の紛失時の責任が重い

□ カード・暗証番号の管理が困難

□ 不正利用、情報漏洩への懸念

□ 家族の同意が得られない

□ その他

 

8.健康保険証廃止による施設への影響・危惧を教えてください(複数回答可)

□ マイナカードの取得・利用が困難な利用者への対応増加(代理申請等)

□ 施設内でのカードの紛失・再発行の手間や労力の増加

□ マイナカード紛失・盗難など家族等とのトラブルの増加

□ マイナカード紛失・更新切れ・破損、再発行などへの対応が困難となる

□ 保険証と一体化したマイナカード(暗証番号含む)の管理が困難となる

□ 情報漏洩やセキュリティ対策が不安

□ 医療機関に受診の際の付き添いサービスを提供できなくなる

□ その他 (                        )

 

9.健康保険証廃止による利用者・家族への影響を教えてください(複数回答可)

□ マイナカードの取得・利用が困難な本人・家族の負担が増加する

□ マイナカード紛失・更新切れ・破損などへの対応が困難

□ マイナカード紛失・盗難など施設等とのトラブルの増加

□ 本人が手続きに必要なIT機器が使えない・理解できない

□ マイナカード取得に必要な顔写真の撮影・取得が困難

□ 情報漏洩やセキュリティ対策が不安

□ 医療機関に受診の際の付き添いサービスが受けられなくなる

□ その他(                    )

 

10.自由記入欄