「保険証廃止は撤回を」700人超が参加 3・23国会行動

保団連は3月23日、国会行動を開催し、43協会・医会からWeb含めて204人が参加しました。健康保険証廃止法案の廃止と医療・介護のさらなる負担増の中止を国会議員へ要請しました。お昼には、「保険証廃止法案は撤回を!」国会内集会を開催し、現地300人、YouTube 400人の計700人が参加。国会議員11人が駆けつけ、マスコミ9社が参加しました(集会の詳細は次号以降)。

朝の打ち合わせでは、森元主税副会長が「保険証廃止法案を撤回し、高齢者の2割化は1割に戻しさらに0にする気持ちで臨もう。政権は、マイナカードの取得率が100%になるまで諦めない。我々も負けてはいけない。まるで、『オン資に対応できない医療機関は早く引退を』と言わんばかりだ。今日一日の行動をよろしくお願いしたい」と参加者を激励しました。

省庁要請―マイナ連絡会主催

保団連は同日、マイナンバー制度反対連絡会などとともに、健康保険証廃止法案の撤回を求めてデジタル庁、厚生労働省、総務省に要請を実施。保団連の他、日本医療労働組合連合会、自治体職員組合、中小事業者団体はじめ7団体が参加しました。保険証廃止方針の撤回を求める署名を提出しました。昨年末より開始して計40万筆を超えました。要請の要旨を紹介します。

 

保険証廃止は憲法違反 住江会長

冒頭、保団連の住江憲勇会長が、「オンライン資格確認の整備義務化、健康保険証廃止法案などは、個人の尊重、思想・信条の自由、生存権、更には財産権などを侵害するもの。憲法違反も甚だしく、法案は即刻撤回すべき」と求めました。

保険証廃止法案をめぐり、保団連は、デジタル庁検討会での団体ヒアリングに学校関係者は呼ばれておらず、「修学旅行など行事の際にはマイナカードを学校に預けるのか」と質問。デジタル庁担当者は「文科省とよく相談して検討したい」と無責任な姿勢を示しました。

また、保団連より、人手不足が深刻な中、医療・介護現場でマイナンバーカード管理や資格確認書の更新管理などは困難との悲鳴が相次いでいる状況を紹介。「期限切れ間近の資格確認書について申請がない場合、保険者の判断で自動更新も可能」との保険局長の国会答弁(参院厚労委、3月17日)の趣旨について改めて確認。厚労省国保課の担当者は「当面、保険者の判断で資格確認書は保険者の判断で交付できると条文に明記した」とした上で、「医療を受けられなくなる人が出ないようにすることが重要である」として、保険者による柔軟な措置が可能としました。保団連より「最低限、命を守る観点から、保険者の判断は縛らないように担保すべき」と要望しました。

さらに保団連から、保険料滞納者に保険診療(現物給付)を保障してきた「短期被保険者証」を廃止することに抗議した上で、「改正法案では、今後の保険料納付に係る『相談の機会を確保する』と明記している以上、滞納の事実のみで償還払いに切り替えることは考えられない」と訴えました。厚労省担当者は「相談機会の確保なくして償還払いへの切り替えはありえない」としました。保険証廃止ありきの問題だらけの法案であることが浮き彫りになっています。

 

現場はストレス極限 医労連

医労連の参加者は、「コロナ危機が続く中、医療現場のストレスは極限に達し、退職者が相次いでいる。誰も望んでいないマイナンバーカード取り扱いなどで、これ以上現場の負担を求めないでほしい」と求めました。

その他、中小事業者団体より「小規模事業主における資格確認書の申請有無チェックなどは困難」、自治体職員より「5月末のマイナポイント申込期限により、自治体現場はカード交付の対応で疲弊しミスが続発している」と現場にしわ寄せがされている状況を告発しました。

連絡会の代表は、「具体的な対応は今後の検討ばかりの上、多くの問題を抱える健康保険証廃止法案は一旦撤回すべきだ」と求めました。