難病団体がマイナ保険証巡り声明(23.07.22)

NPO法人IBDネットワーク(潰瘍性大腸炎とクローン病の患者団体)が7月22日に、「マイナンバーカードと健康保険証の連携について100%信用のできるシステムが整うまで運用の停止と、当面の間は現行の健康保険証の存続を求める声明」を発表しました。

 

2023年7月22日

【声明】
マイナンバーカードと健康保険証の連携について
100%信用のできるシステムが整うまで運用の停止と、
当面の間は現行の健康保険証の存続を求めます

NPO 法人 IBD ネットワーク

政府は健康保険証廃止法案を可決・成立させ、2024 年秋で紙やプラスチックの健康保険証を廃止してマイナンバーカードへ健康保険証機能を一本化する方針を打ち出しました。ですが現在、マイナンバーカード保険証はトラブルが頻発しており多くの国民が不安や疑問を覚えています。
現行の健康保険証が廃止となれば、マイナンバーカードを持たない人は公的保険診療から遠ざけられる結果となりかねず、国民皆保険制度の下で守られている国民の命と健康が脅かされます。
まして私たち難病患者は根本的な治療方法がない病気を悪化させないために、定期的な通院が必要ですし、症状によっては複数の科にかかることもあります。そのため病院との付き合いは一生のものとなります。
健康保険証は指定難病受給者証などとともに、命となりわいを支える大切な証なのです。
私たちが大きな懸念を持つ点は、マイナンバー保険証がトラブルで本人認証されないと 10 割負担を求められることです。潰瘍性大腸炎やクローン病では治療に生物学的製剤を使う患者も多く、1回につき数十万円と高額な医療費がかかるため、とても 10 割負担できるものではありません。10 割負担への対応策、保証が不明確でありマイナンバー保険証での通院は不安です。
他人への紐づけなどの問題もありますが、患者の医療情報などは「要配慮個人情報」であり、その漏洩は患者個人の尊厳が脅かされますし、赤の他人の情報により難病患者本人の治療が正しく行われなければ、それは命にかかわる重大な事態を引き起こす危険すらあります。
私たちは以下2点を求めます。

1 各種データについて直ちに総点検を行い、100%信用の出来るシステムが整うまで運用を停止し、全容を解明解決のうえ、第三者機関の認証等を経て安心してメリットを享受出来るよう、早急なる対応を求めます。

2 マイナンバーカードの取得やマイナ保険証連携は任意であり、またマイナ保険証を利用する人にフェイルセーフとして、当面の間は現行の健康保険証存続を求めます。