【9月13日要請】マイナトラブル 厚労省3部局と懇談

負担割合が異なるマイナトラブル

厚労省3部局へ要請・懇談

 日時:2023年9月13日(水)16:00~17:00(予定)

場所:厚労省 共同第4会議室

保団連参加役員:住江憲勇会長、竹田智雄副会長、武田浩一理事、井上美佐理事、山崎利彦理事 

要請先(部局):高齢者医療課、国保課、医療介護連携政策課、保険課  

※高齢者医療課の安中 健課長に対応いただきました。

 

<要請概要>

マイナトラブルの解決に向け連携・協力を訴え

「トラブル改善の取り組みを重ねたい」-安中課長が決意表明

保団連は全国的な広がりを見せるマイナトラブルの解決を求め9月13日に厚労省要請を実施しました。保団連から住江憲勇会長、竹田智雄副会長をはじめ、武田浩一、山崎利彦、井上美佐各理事が参加し、医療現場におけるトラブルの実態を告発、解決を求めました。要請には厚労省から安中健保険局高齢者医療課長をはじめ、医療介護連携政策課、保険局保険課、国保課が出席する中、竹田智雄副会長からマイナトラブル調査第2弾の調査結果を報告するとともに、厚労省にトラブルの解決に向け①窓口負担割合の相違問題も含めたマイナトラブルについて、市町村国保、後期高齢者医療広域連合に対する調査内容を速やかに公表すること、②トラブルの全容解明・原因究明に向けて関係者と連携・協力を図るとともに、厚労省が把握したトラブル原因等の情報を関係者へ速やかに公表すること、③最大のトラブル防止策として健康保険証を残すこと。さらに、患者・国民に健康保険証の持参を広く呼び掛けること、の3点の実現に向け前向きな対応を行うよう強く求めました。

トラブルの全容を解明し、改善を図るためには医療機関を始めとした関係機関等との連携・協力が必要であり、トラブル原因等の情報提供は欠かせません。そのための前向きな回答を迫る保団連の訴えに対し、安中高齢者医療課長は、「この問題を解決したいという思いは我々も同じ」と述べるとともに、情報提供については「何らかの形でお示しすることを考えたい」、「医療機関も患者も、保険者の方も、皆さん困っていると認識しています。そこは解決に向けて、特効薬はないかもしれないが少しずつ対応するとともに、1つ1つ課題を見つけて改善していく取り組みを重ねていきたい」と回答しました。

<提出した要望書>

2023年9月13日

厚生労働省保険局
高齢者医療課
国民健康保険課
医療介護連携政策課

負担割合が異なるマイナトラブルの解決に向けて

全国保険医団体連合会

健康保険証とマイナ保険証(オンライン資格確認)で異なる負担割合が表示されるエラーが後を絶ちません。保団連は7月27日から8月31日の期間で第2弾マイナ保険証・オンライン資格確認トラブル調査を実施し、39都道府県・7070医療機関から回答が寄せられ、39都道府県374市区町村978医療機関で健康保険証の券面と異なる窓口負担割合が表示されるエラーが報告されました。調査では、「健康保険証では負担割合が2割なのにマイナ保険証では3割と表示された」「本来は1割なのに2割と表示」などの誤表示で新たに保険者への確認業務が必要となるケースや、一部負担金の過不足が生じ患者クレームを招くとともに、間違った負担割合で保険請求したことによるレセプト返戻も生じています。
誤りの原因は、▼保険者の登録ミス▼システム仕様による誤登録▼レセコンの仕様で負担割合を正しく読み込まない、カードリーダーの操作手順と情報提供の趣旨が患者・医療機関に周知されていないなど様々です。年齢からはあり得ない負担割合が表示されるケースも確認されており、1医療機関で50件のトラブルを経験するなど実態は深刻です。

千葉市内のクリニックで発覚した異なる負担割合が表示されたケースで 7月14日に千葉市長が誤登録を認めました。神奈川県の後期高齢者医療広域連合などに医療機関から問い合わせがあった事例では、オンライン資格確認システムでは正しい負担割合が登録されているものの、レセプトコンピューターで表示される負担割合は実際の負担割合と異なっていました。厚労省はレセコン原因による負担割合のエラーを把握されていましたが、ベンダーのみが閲覧可能なサイト上での注意喚起にとどまっており、保険医療機関等にはエラー情報を公開していないため医療現場でのトラブルへの対処が極めて困難な状況にあります。顔認証付きカードリーダー上で高額療養費制度の「限度額情報の提供」に同意しなかった場合に異なる負担割合が表示される事例も報告されています。
こうしたトラブルが明らかとなる中、厚労省では、市町村国保等に対し、窓口負担の表示が異なる事例について調査が実施されています。また、関係課より医療機関のレセプトコンピューターを提供・サポートする業者に対するアプローチも始まっています。真相解明と再発防止に向けて国・自治体、レセコンメーカー、審査支払基金、国保連等の関係者の協力は欠かせません。全国的に広がりを見せる新たなマイナトラブルは医療保険制度の根幹に関わる問題です。最終の調査結果を情報提供するとともに、原因解明・再発防止に向けた実効性ある取り組みとなるよう以下要望します。

【要望事項】

① 窓口負担割合の相違問題も含めたマイナトラブルについて、市町村国保、後期高齢者医療保険広域連合に対する調査内容を速やかに公表すること。
② トラブルの全容解明・原因究明に向けて関係者と連携・協力を図るとともに、厚労省が把握したトラブル原因等の情報を関係者へ速やかに公表すること。
③ 最大のトラブル防止策として健康保険証を残すこと。さらに、患者・国民に健康保険証の持参を広く呼び掛けること。

<各社の報道>

【NHK】9月13日

マイナ保険証 医療費負担割合の誤表示 978の医療機関で確認 | NHK | マイナンバー

【朝日新聞】9月13日

マイナ保険証の窓口負担誤表示トラブル、1千施設近く確認 保団連:朝日新聞デジタル (asahi.com)

【m3.com】9月13日

「患者負担割合の相違」13.8%、978施設が経験、保団連調査厚労省の調査・再発防止・保険証存続の3項目を要望

【毎日新聞】9月13日

978医療機関で負担を誤表示 70歳以上マイナ保険証 保団連調査 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

【東京新聞】9月13日

マイナ保険証、13.8%の医療機関で誤表示…原因は不明なまま 保団連が調査結果を公表:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

【共同通信】9月13日

978医療機関でマイナ誤表示 70歳以上受診時、保団連調べ | 共同通信 (nordot.app)

【日経メディカル】9月15日

978の医療機関が「負担割合の誤表示例」を報告:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)