【10.26厚労省要請(動画配信中!)】マイナ総点検を徹底追及! 「不安払拭」は保険証残してこそ

マイナンバー総点検徹底追及!  「不安払拭」は保険証残してこそ

10月26日に厚労省要請

 

全国保険医団体連合会

(担当:本並省吾 03-3375-5121)

マイナ保険証を巡るトラブルが相次ぎ、マイナ保険証の利用率は低下の一途をたどっています。政府・厚労省は、9月29日医療保険部会、10月6日マイナンバー情報総点検本部等にてマイナンバー総点検、窓口負担誤登録問題への対応状況を示しました。保団連は、医療現場と患者・国民とのトラブル解消を目指す立場からさらなる情報公開と対応を求めています。前回に引き続き10月26日10時から厚労省担当部局への要請を実施しました。

日時:10月26日(木)午前10時から午前11時

場所:参議院議員会館 B1F B108会議室

参加者:保団連 住江憲勇会長、竹田智雄副会長、本並省吾事務局次長

厚労省:保険局医療介護連携政策課保険データ企画室長補佐 松本 夏実
保険局高齢者医療課 企画調整専門官 吉田 康祐

 

<質問>

1 負担割合誤登録への対応

Q1.厚労省が9月29日医療保険部会で公表した負担割合「誤登録」5695件について誤登録が確認された保険者の所在地域や数、内容類(3割が2割など)を開示いただきたい。

Q2. 誤登録が確認された理由として、事務処理手順に基づかない処理4017件、システム仕様1678件と分類しているが、事務処理手順に基づかない処理もシステムに起因するものがあるのでは?

Q3. 誤登録への医療現場・患者への影響として、医療機関において返戻が生じてことを把握・認識はあるか?患者において負担割合の過誤による追加徴収や返金などが生じていることを把握・認識されているか?

Q4. 今後の対応として9月29日に全保険者に再調査(点検)を依頼しているが、8月の調査では不十分という認識か?調査で判明した8パターンでの再調査の意図と狙いは?11月10日締め切り後に公表される考えはあるか?

Q5. 保険者システムの改修や誤登録の点検の際に必要な費用は国が負担するのか?今般のトラブルを契機に国保中央会のシステム改修など予算計上されたか?

 

2 マイナンバー情報総点検、1億6000万件の被保険者情報総点検

Q1. 政府のマイナンバー情報総点検本部が対象とした保険者の点検結果では、10月6日時点で1109件の紐づけミスが確認されましたが、それ以外に5月23日以降に63件確認されたことから保険者の点検だけではすべてを網羅できていないことが判明しました。厚労省の受け止めをお伺いしたい。

Q2. 9月7日の医療保険部会で提案・確認された1億6000万件総点検に関して

有効な被保険者情報とは別に過去情報(約4000万件)の住民記録との5情報による突合を実施するとされました。その理由をお伺いしたい。

Q3.過去情報(4000万件)の誤紐づけが存在していたから調査対象としたのか?過去情報(4000万件)を調査でき、誤登録を解消しないとどのような不具合が生じるのか?薬剤用法・診療情報、特定健診情報の情報閲覧・取得できるシステムとどのように関係しているかご説明をお願いします。

Q5.過去に所属していた保険者における被保険者情報を確認することは保険者のデータ保存期限や元被保険者の住所変更等から容易でないと推察する。各保険者にはどのように対応する予定か?

Q6. 医療保険と住民記録との5情報による突合作業では、相当数の「不一致」が生じることが推定される。現時点の進捗状況をお伺いしたい。過去情報を別システムで管理している場合、データを取り出すためにシステム改修が必要と推察されるがその進捗状況について開示いただきたい。

Q7. 外字・旧字・異体字を含む漢字氏名を保有している市町村国保、後期高齢などの被保険者の情報を中間サーバーに取り込む際に、中間サーバーではそれらの文字フォントに対応していないため、●(黒丸)に表示される。そのため●を含むの漢字氏名や地番を含めた5情報の突合・点検は困難を極める。どのよう突合点検する予定か現時点の方針をお伺いしたい。

Q8. 10月6日総点検本部後のブリーフィングでデジタル庁が点検支援ツールの活用について提案があった。保団連から●問題への対応に関する質問に対し、住民記録側の外字・旧字・異体字を●化して対応するなどの対処法が示された。1億6000万件の突合・点検についてもデジタル庁が示したツールや対処法で対応するのか現時点の方針をお伺いしたい。

Q9. 政府の総点検本部では11月末までに総点検を終了させ12月に報告するとしています。一方で、1億6000万件の総点検について、11月までにJ-LIS照会・突合を完了させ、不一致の内容を踏まえて情報の閲覧を停止する。その後、優先度に応じて段階的に保険者・事業主で確認を行った上で、必要に応じて本人に確認を依頼するとし、24年3月までの行程が示されている。マイナンバーの誤紐づけの点検のため総点検本部の点検対象であることは明らかであるが、岸田総理が延期も含めた措置を検討する材料となると考えるかいかがか?

3. 資格確認書、資格情報のお知らせ

Q1. 8月4日首相記者会見において、マイナ保険証を保有していない方に対して申請によらず資格確認書を交付すると方針が示され、厚労省(支払基金)において同方針の具体化に向けてオンライン資格確認システムのシステム改修等対処法の検討が行われていると承知している。進捗状況をお伺いする。

Q2. マイナ保険証紐づけ情報はリアルタイムに各保険者が把握することができないため、プッシュ型の資格確認書へ交付の対応等が困難である。リアルタイムに管理していくためにどのように対処する予定か?

Q3. マイナ保険証を紐づけした後に、マイナカードもしくは電子証明書の有効期限切れとなり、更新手続きができなかった方はマイナ保険証の利用が不可能となる。こうした方の数を把握しているのか?これらの方へのプッシュ型資格確認書の交付はどのように行う予定か?

Q4. 「資格情報のお知らせ」の発行主体・発行対象、発行頻度は?各保険者による資格情報のお知らせの発行を義務付ける法令上の根拠は?

Q5. 「資格情報のお知らせ」の機能は①限度額認定証、②高齢者受給者証、③マイナトラブル対応、④マイナ保険証保有者の紙レセ医療機関での受診対応の4点と考えているがそれ以外にあるか?

Q6. マイナ保険証と医療保険情報の紐づけを完了した方が7000万人を超過しているが、すべての紐づけ者がマイナ保険証を利用できると考えているか?

 

4.電子資格確認の定義・範囲

Q1.健康保険法における電子資格確認の定義は?

Q2.療養担当規則の資格確認の方法について、①被保険者証、②電子資格確認、③処方箋等の3点でよいか?

Q3. 療養担当規則における電子資格確認の体制整備の義務の範囲について、義務の範囲はオンライン資格確認のシステム整備と電子資格確認であるとの理解でよいか?

Q4. 電子資格確認の方法として、以下の4パターンのいずれでも可能と理解してよいか?①被保険者証によるオンライン資格確認②オンライン資格確認システムと連動したレセコンによる資格確認③被保険者証によるマイナ保険証による顔認証付きカードリーダーを経由した資格確認、④マイナ保険証による汎用性カードリーダーを経由した資格確認

Q5. 被保険者証による目視による資格確認が現時点でも有効と考えているが、保険証廃止後の取扱い(資格確認書、資格情報のお知らせ等)についてお伺いしたい。

 

【参考資料】(9月7日医療保険部会 議事録より)

<薬剤情報・診療情報のデータ保有期限を5年に延長>

マイナンバーカードで本人確認を行うことにより、医療機関や薬局で本人同意に基づいて健康・医療情報を閲覧できる。
この健康・医療情報につきましてはオンライン資格確認等システムで管理されており、例えば特定健診情報や薬剤情報といった情報の種類ごとにそれぞれ5年間あるいは3年間といった保存年限が設定されている。保存期間が3年間の薬剤情報は令和3年10月から保存が開始されており、令和6年10月以降、順次保存期間が終了する。薬剤情報と診療情報は、これまで利用ニーズやコスト等を考慮して3年間に設定したが、各種文書の法令上の保存期間等を考慮して、5年間とする。

 

<紐づけ誤りの総点検>

〇全保険者に本来の事務処理要領と異なる方法でデータ登録等を行っていなかったかを点検依頼。

〇該当する加入者情報がある場合にはJーLIS照会等による確認

〇登録済みデータ全体のチェックとして、医療情報という性質も踏まえ、入念的に、保険者による点検の対象外だったものも含めまして、登録済みデータ全体のチェックを行う。

 

<登録済みデータ全体のチェックの概要>

〇全体のチェックでは、過去の医療情報等も閲覧可能であることを踏まえ、過去情報も含めた約1.6億件について、JーLIS照会により取得した生年月日、性別、カナ氏名・漢字氏名、住所と医療保険のデータを突合し、一致するかどうかを確認。

〇被用者保険では、住民基本台帳上の情報によることを要件とせず、本人からの届出に基づいて加入者の登録を行っている。そのため、同一人物であっても、住民基本台帳上の情報と不一致が生じる場合がある。

〇例えば、名前に関する外国籍者の表記方法や外字が含まれるケース、あるいは住所に関する居所登録や未登録等のケースではJ-LISデータとの突合の結果が不一致となることがある。

〇不一致が確認された場合には、不一致の内容に応じて資格情報や医療情報の閲覧を一時的に停止する。その上で、保険者や事業主において点検を行い、必要に応じ、本人に確認を求め、本人の情報であることが確認できた場合には閲覧停止を解除する。

 

<不一致事例の取扱い>

〇不一致の内容が、生年月日、それから、性別に不一致がある場合には、別人のリスクがあるため資格情報及び医療情報の閲覧を停止する。

〇漢字氏名、カナ氏名の両方に不一致がある場合には、表記方法の違いなどが多いため、医療情報の閲覧のみ停止。

〇漢字氏名、カナ氏名のどちらかに不一致がある場合は、住所も不一致であれば医療情報の閲覧を停止する、住所が一致していれば閲覧停止しない。

〇住所のみに不一致がある場合は、複数の有効な資格重複がある場合について医療情報の閲覧を停止する。

〇複数の有効な資格がある場合とは、保険者を移動した際に誤登録が起こり、他人の個人番号で登録されたケース。結果として、個人番号に複数の有効な資格が登録された形となる。

〇これまで判明した事例では、このような1つの個人番号に複数の有効な資格情報が登録されている資格重複事例が大半である。複数の有効な資格重複がある場合には医療情報の閲覧を停止する。

〇過去情報の不一致について本人確認を求めることは、保険者の事務負担が大きいことに加えまして、他人に送付するリスク等も存在いたします。そのため、不一致が生じている場合には、医療情報の閲覧停止等を行った上で、過去の医療情報等が掲載されていない場合があることをマイナポータルで周知する。

 

<スケジュール>

〇9月下旬からJ-LIS照会を開始いたしまして、11月までにJ-LIS照会・突合を完了させ、不一致の内容を踏まえて情報の閲覧を停止する。

〇並行して作業のやり方の確認等を行うため、数万人規模で試行的に確認を実施する。

〇その後、優先度に応じて段階的に保険者・事業主で確認を行った上で、必要に応じて本人に確認を依頼する。

〇全項目一致の場合には、令和6年5月以降に資格情報のお知らせ等で通知する。