ジェネリック「置き換え」で健康影響!?

「後発品への置き換えが困難な先発品」に関するアンケート結果

薬剤や治療方法の選択は当然患者の生命に直結します。だからこそ、医師は診察や検査に基づき、投薬治療が必要なのか、どの薬剤がベストなのかを判断して、薬を処方します。その薬剤の選択が、純粋な薬理作用ではなく経済的な理由によって誘導されるとすれば、そして万が一にもその結果治療上なんらかの悪い影響が生じるとすれば大問題です。

岡山県保険医協会が実施した治療上後発医薬品に置き換えることが困難な先発医薬品はあるか、その理由は何か、情報を集めることにしました。これが今回の後発医薬品への置き換え困難に関するアンケートです。

 

後発医薬品への変更が難しい薬剤は医師や患者本人が、先発品と後発品では明らかに効き目が違うと感じるケースが明らかになりました。

具体例

 

気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療薬であるキプレス錠は、後発医薬品だと喘息改善度が悪く咳が8割程度しか改善しない

キプレスに戻したら元通りの効果が得られた「差は明白」との情報が寄せられました。

外用薬もあります。湿疹や皮膚炎などの治療薬であるリドメックス軟膏。こちらの後発医薬品は、「炎症は改善するが発赤が消えない、カサカサ感も残る」との意見が出されています。

広く使われている保湿剤のヒルドイドローションやヒルロイド軟膏、湿布薬のロキソニンテープも、「使用感が悪い、効果が低い」の意見が複数寄せられました。

 

変更したことで、胃の症状や気分が悪くなった、違和感を感じたケース

「薬が合わない」事例。狭心症のプラビックス、脂質異常症のクレストール、痛風のフェブリク。後発品から先発品に戻したら、不快感が収まった。

 

薬剤の製造上の違いからくるケース

先発品と後発品は確かに主となる薬の成分は同じですが、主薬以外の添加物はまず異なります。添加物とは、例えば錠剤の周りのコーティング、塗り薬の基剤、湿布薬の布や粘着剤などです。これらは製薬メーカーによって意外と大きく異なります。

薬の成分が体内で効果を発揮するための仕組みの設計にも違いも

例えば、潰瘍性大腸炎の治療薬であるアサコールは、メサラジン腸溶錠といって、メサラジンが腸で溶けて作用する薬剤です。この薬は潰瘍性大腸炎の病変部位である大腸で集中的に効果を出すために、回腸末端から大腸全域にメサラジンが放出されるように体内での溶解の開始のタイミングが設計されています。

後発医薬品はアサコールよりも早く小腸で融解が始まってしまうため、「大腸にメサラジンが高濃度を保ったまま到達しない」との指摘がありました。

均等に徐放されない

逆に薬剤が均等に徐放されることで効果を長時間均一に維持したいにもかかわらず、均等に徐放されないとの意見が出されたのが、高血圧症の治療薬であるインデラルや関節リウマチの治療薬リマチルの後発医薬品などです。

ホクナリンテープ

気管支喘息の治療薬であるホクナリンテープの後発医薬品も成分が均等に徐放されないと、呼吸器内科の先生方からの指摘が多い。先発品であるホクナリンテープは「結晶レジボアシステム」という特許を取得した徐放化の技術を使っています。テープからの薬物の放出を制御する技術で、これにより血中濃度を長時間維持することができます。

一方、後発医薬品ではこの技術が採用されていないので、成分がすぐに徐放されてしまい、翌日まで有効な血中濃度を保つことが難しいとされています。

 

アレルギー性鼻炎や蕁麻疹

アレルギー性鼻炎や蕁麻疹治療に使う抗アレルギー剤のクラリチンレディタブ錠ですが、これは口腔内崩壊錠の一つで、口腔内崩壊錠とは文字通り口の中で錠剤がさっと崩れて、唾液程度の水分でも溶けるように設計されています。この口腔内での崩壊の度合いや、迅速さに、先発品と後発品では雲泥の差があるとの意見が寄せられています。

 

基剤、添加物の違いによる影響

かぶれるであるとか、粘度が違うであるとか、この指摘も多数ありました。特に塗り薬や貼り薬などの外用薬に多い。後発品でかぶれる患者がいるとされたのが、アルツハイマー型認知症の治療薬のイクセロンパッチ。狭心症の治療薬のフランドルテープ。腰痛症や変形性関節症などの治療薬であるロキソニンテープやモーラステープ。これらはすべて貼り薬です。

湿布薬も効き目に違い

ロキソニンテープやモーラステープは、いわゆる湿布薬で、これを処方される患者さんは大変多い。炎症やかぶれはアレルギー反応のため個々人によるが、ロキソニンテープの後発医薬品を使うことができない場合もあります。医師からはさらに、先発品と後発品には明確な違いがある、先発、後発は患者に余分な負担なく選ぶ権利を残すべき、国は後発医薬品への利用政策をはじめとして医療政策の見直しを、新たに患者に負担を負わせることに反対などの意見もありました。

先発医薬品を後発医薬品に変更することで生じる治療上の影響

「治療上、先発医薬品でなければ効果が得られない」、「副作用が出るなどの理由により先発医薬品を使わざるを得ない」患者が一定数いるという結果が明らかになりました。

 

薬剤の選択は患者の単なるわがままではありません。先発、後発のチョイスを含め、真に必要な薬剤を選択する権利は、医師にも患者にも保障されるべきです。