【マイナ総点検】河野太郎大臣記者会見で住江会長が質問しました

12月12日に第5回マイナンバー情報総点検本部が開催され、岸田首相が24年秋の健康保険証廃止を宣言しました。保団連は、会議後の河野太郎デジタル大臣の記者会見に参加。住江憲勇会長が河野大臣に総点検の問題点を指摘するとともに、マイナトラブルによる医療現場の困難・混乱の解決と健康保険証存続を強く求めました。音声での質問のやり取りはデジタル庁が公開している動画をご覧ください。

河野太郎大臣記者会見(質疑抜粋)

記者

マイナ保険証一本化上の保険証廃止の前提条件は、国民の不安が払拭されることと岸田総理が発言した。国民の不安が払拭された根拠はあるのか。何らかの世論調査をしましたか。例えば、保険証廃止撤回を求めている全国保険団体連合会の方と意見交換して納得してもらったとか、何らかの根拠がないと今の決断はできないと思いますが。

河野太郎大臣

不安を払拭するための措置を取るということで対応を取りましたので廃止いたします。

記者

措置を取っても不安が払拭されなきゃいけないが、それでもいいのですか

河野太郎大臣

イデオロギー的に反対される方はいつまでたっても不安だ、不安だとおっしゃるでしょうから、それでは物事が進みませんので、きちんとした措置を取ったということで進めます。

記者

イデオロギーじゃなくて医療現場の人から廃止を撤回して欲しいという声が出ているのに、調査すらしないのですか? 意見交換しないのですか。

河野太郎大臣

措置を取ってやるということですから措置を取ったので廃止します。

保団連 住江憲勇会長

Q:10月以降の医療現場におけるマイナトラブル調査を本日公表したが、1000医療機関から回答が寄せられました。94医療機関から「負担割合の齟齬があった」、14医療機関から「他人の情報が紐づけられていた」、9医療機関から「間違った医療情報が紐づけられていた」との回答ありました。総点検本部では医療保険者による総点検は7月に終了したとしていますが、その後も医療現場では紐づけミスが生じています。国民の不安払拭とは程遠い現状について政府としてどう認識されていますか。

Q:登録済みデータ全体の住民基本台帳との突合について、少なくとも139万件で氏名等が不一致であったことが報告されています。総点検はまだ終わっていないのではないでしょうか?旧字・異体字などの漢字氏名においては、5情報で住民記録と一致を点検したことにならないのではないですか?

Q:負担割合の相違が再点検で15879件判明しました。しかし、「最終的に被保険者は正しい割合で負担」とされています。保団連の緊急調査では、10月以降で127医療機関から返戻があったと回答しています。マイナ保険証、オンライン資格確認のデータを信じられないとの受け止めが広がっており、不安払拭とは程遠い状況です。負担割合の誤登録は今後もなくならないのではないですか?83%が健康保険証でトラブルを回避したと答えています。保険証廃止されると医療現場はトラブルで診療どころでなくなります。

Q:顔認証マイナカードは自治体現場と医療現場に大きな混乱をもたらします。マイナカードを保有する方でマイナ保険証の利用登録をしていない方が2000万人います。その方が電子証明書の暗唱番号をロックした場合、顔認証しか利用登録できなくなります。顔認証付きカードリーダーのトラブルが39%で確認されており、相当な混乱が予想されますがどのように認識していますか?

河野太郎大臣

紐付け誤りは健康保険証につきましては、何重にもチェックをしておりますのでかなり少ないと思っております。残ってる部分は厚労省が春に向けて点検をしておりますんで、もしあれば、そこで修正ができるものだと思っております。厚労省の点検の中で異体字その他まだ残っているものについては春までに点検をいたします。返戻につきまして若干あるという話は聞いておりますが、おそらく紙の保険証よりは遥かに少ない確率になると思います。むしろ病院にとってはプラスだと思います。顔認証のカード、医療DXにとっては大きなプラスになると思っております。これは現場の話を聞きながら、また総務省と相談して改善点があれば改善してまいりたいと思います。

保団連 

負担割合のエラーは保険証では生じないエラーです。オンライン資格確認で返戻が減ったということとは別次元の問題です。大臣のご認識は違うので、認識をあらた改めていただきたいと思います。

河野太郎大臣

負担割合の誤りもチェックしていますので、これまでの負担割合の誤りは修正されていると認識しております。

保団連 住江憲勇会長

誤紐づけ、誤登録がだんだん少なくなっていくと大臣はおっしゃっていますが、医療情報の紐づけミスは、1件たりともあってはなりません。個人情報とりわけ命、健康に関わる問題ですので、1件たりともあってはならない。そういう立場で対応をお願いしたい。先ほどより保険証廃止反対は「イデオロギー」で主張しているとおっしゃいますけど、これだけ問題点があり、そして国民の不安節払拭もされずにマイナ保険証を推進することこそが「イデオロギー」ではないでしょうか?氏名等の不一致の点検はこれからで来春までに点検と言われました。そうであるならば、今時点で総点検終了とは言えないのではないか。国民にきっちり説明すべきです。