厚労省は、2024年1月のマイナ保険証利用率が4.60%であったことを公表しました。昨年12月まで8カ月連続でマイナ保険証利用率が低下していましたが、1月の利用率は12月(4.29%)から0.31ポイント増加しました。
ただし、マイナ保険証の利用件数は753万件となり、12月(763万件)から10万件減少しています。利用率がわずかながら増加した要因は利用率計算の分母となるオンライン資格確認の総件数(1億6363万件)が12月(1億7781万件)より1418万件も減少したことによります。
医療機関でのオンライン資格確認の利用は任意ですので、医療機関を受診する際に患者さんが健康保険証を窓口に提示するだけで受診しているケースも多数あります。
ほぼすべての医療機関・薬局でオンライン資格確認の体制が整備され、オンライン資格確認の利用件数自体は増加傾向にありましたが、今年に入りオンライン資格確認の利用総件数が前月比で1418万回も減少していることはこれまでにない傾向です。詳細な情報開示と分析が必要です。
薬剤情報閲覧(286万件) 23年4月以降で最低値を記録
1月の薬剤情報閲覧の利用件数は286万件となり、12月(305万件)より19万件減少しました。薬剤情報の閲覧件数は23年4月の473万件をピークに降下し続けています。1月のマイナ保険証利用件数が753万件なのでそのうち38%の方しか薬剤情報の閲覧に同意していないことになります。オンライン資格確認総件数に占める比率でみるとわずか1.75%です。
厚労省が声高に宣伝するメリットが実際には利用されていないことになります。薬剤情報は保険請求後の情報をオンライン資格確認システムに登録された情報を閲覧しています。保険請求は月単位で行うため現在の情報は登録後(約1カ月)しか閲覧できません。 約1カ月前の薬剤情報は実際の診療では利用できないのが現状です。医療機関・薬局ではお薬手帳を利用しています。
参考記事
マイナ保険証/オンライン資格確認システムのメリット論を検証する