令和6年10月より、救急時医療情報閲覧機能により、救急医療機関では、患者の生命、身体の保護のために必要な場合、マイナンバーカードまたは4情報、もしくは資格確認書等情報による検索により本人確認を行うことによって、患者の同意取得が困難な場合でも、レセプト情報に基づく医療情報等が閲覧できるようになります。厚労省は、救急時において、意識障害等の同意取得困難な患者に対しても、薬剤情報や手術情報等のレセプトに基づく医療情報を閲覧し、迅速かつ適切な検査・治療等に活用できるようになるとメリットを説明しています。
厚労省医政局 マイナカード携帯・所持なくても医療情報閲覧可能
厚労省医政局が作成した救急時医療情報閲覧のオンライン資格確認等システムの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書手順書(令和6年5月)によると「救急時医療情報の閲覧に際しては、病院を対象として、意識障害等で患者意思が確認できない状況をはじめとした「患者の生命、身体の保護のために必要がある場合」に、マイナンバーカードによる同意取得が困難な場合でも医療情報を閲覧可能な仕組みとします(マイナンバーカードを携帯している場合はマイナンバーカードによる患者特定、マイナンバーカードを携帯していない場合は資格確認書等情報・4情報による患者特定の後、医療情報閲覧を可能とします。」と記載されています。
4情報等とは①氏名②生年月日③性別④住所または保険者名のことを言います。また、健康保険証などの資格確認書等情報による検索も可能としています。
つまり、新たに導入されたシステムでは、救急で搬送された医療機関では、傷病者がマイナカードを所持していなくても既往歴、薬歴などを知ることができ救急時の医療に役立てることができます。
患者搬送時は4情報検索
厚労省が作成した広報資料「救急時医療情報閲覧機能でできること(2024年2月28日更新)」のp13 Q&Aでは
「4情報等による検索をご検討ください」と記載した上でなお書きとしてマイナカードの受付も可能と付記しています。マイナカードの携帯・所持していない国民も多いためどのような形でも救急時医療情報閲覧機能を使えるようにすることは迅速性・緊急性が求められる救急医療現場には最も合理的な対応と言えます。
Q:救急車で患者が運ばれてきた場合、マイナンバー読取はどうすればいいですか?
A:4情報等による検索をご検討ください。なお、マイナンバーカードの券面に掲載された顔写真で本人確認ができる場合は、マイナンバーカードによる受付も可能です。
救急時・災害時も健康保険証で十分
4月9日の大臣記者会見で武見大臣は 救急、災害などの役割を例示し、「医療DXのパスポートとなるマイナ保険証の利用促進に全力をあげて取り組む」と強調しました。
・救急時における実際に患者の容態を理解する上において、マイナ保険証を通じて、そのデータがあれば、救急対応の質の改善に間違いなく役に立つ
・能登地震の時のような震災で避難者(特に高齢者)の基礎疾患や薬剤・治療履歴を即座に確認できる。
武見大臣会見概要 |令和6年4月9日|大臣記者会見|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
しかし、武見氏がマイナのメリットとして強調し災害時や救急時の医療情報・薬剤情報の利活用は、健康保険証でも利活用できるように整備されているのでマイナカード(マイナ保険証)のメリットとするまやかしです。
オンライン資格確認・災害時モードや救急時医療情報閲覧を活用すれば医療情報・薬剤情報等のデータ利活用は保険証でも利用できます。