残り5カ月で1割とどかず
厚労省は、2024年6月のマイナ保険証利用状況を公表しました。6月はマイナ保険証利用促進集中取組月間の中間月となります。
6月のマイナ保険証の利用件数は1874万件で5月(1425万件)より449万件増加しました。6月のマイナ保険証利用率は9.90%となりました。利用率は5月(7.73%)より2.17%増加しました。
しかしながら、現行の健康保険証の新規発行が停止される12月2日まであと5カ月の段階でもマイナ保険証利用率が1割にも達しませんでした。
増加件数の4割が薬局
マイナ保険証利用件数の増加分(449万件)のうち194万件が薬局です。医科診療所159万件、病院50万件、歯科診療所46万件と続きます。
薬局での薬剤情報の利用はわずか2割
厚労省は、マイナ保険証のメリットとして「過去のお薬情報が見られる」ので「お薬の飲み合わせや分量を調整してもらうことができる」と説明しています。薬剤情報の利用はマイナ保険証で受付した場合に可能となりますが、薬局でのマイナ保険証の利用件数が819万件のうち、薬剤情報の利用した件数は207万件(25.2%)に留まります。調剤薬局での「マイナ保険証のみ受付」や「不適切な説明・強引な利用勧奨」が展開されていますが、肝心の薬剤情報の利用は低調なままでは何のためにマイナ保険証を利用させているのか本筋を見失っています。
薬局では、厚労省が作成したマイナ誘導手引き(トークスクリプト)を活用してマイナカード取得やマイナ保険証の利用勧奨が進められています。マイナ保険証を利用するか否かは患者の任意の選択によります。「実質義務」と誤認させるマイナ保険証の強引な利用勧奨は直ちに中止すべきです。
マイナ保険証利用件数(医科・歯科・病院・薬局)
5月 | 6月 | 増加件数 | |
---|---|---|---|
薬局 | 625万件 | 819万件 | 194万件 |
医科診療所 | 499万件 | 658万件 | 159万件 |
歯科診療所 | 148万件 | 194万件 | 46万件 |
病院 | 151万件 | 201万件 | 50万件 |
全体 | 1425万件 | 1874万件 | 449万件 |
利用率(全体) | 7.73% | 9.90% | 2.17% |