「保険証廃止こそ百害あって一利なし」 日比谷野音に医療従事者ら2400人が政府方針の転換迫る

9.26 いのちまもる総行動2024 

医療・介護・福祉予算の増額求め2400人が集会・パレード

医療・介護・福祉の予算増額を求める「いのちまもる総行動」が9月26日、日比谷野外音楽堂で開催され2400人が参加しました。集会は全国保険医団体連合会、日本医療労働組合連合会らで構成された「24年『医療・介護・福祉に国の予算を増やせ!9・26いのちまもる総行動』実行委員会」が主催。「従来の健康保険証なくすな」「医師・看護師を増やせ」「賃金を大幅に増やせ」を掲げ、政府の方針の転換、社会保障実現の政治への転換を迫りました。立憲、共産、れいわの各党議員が集会に駆け付け政府が推進する保険証廃止について厳しく批判しました。日本医師会と日本歯科医師会からメッセージが寄せられました。

社会保障重視の政治実現を

日本医労連の佐々木悦子委員長は、冒頭、「5年間で43兆円の大軍拡を政府が堅持しながら社会保障が歳出改革の最大の標的にされている」「医療・介護・福祉従事者の大幅な賃上げや、医療・社会保障費の増額、紙の保険証の維持など、社会保障重視の政治を実現させようと訴えました。

国家の都合を国民の命より優先させるな

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は、保険証廃止の決定過程が分かる記録を政府が残していなかった問題に触れ、「国家の都合を優先して一人一人の命を、こんなにないがしろにする政治はないと確信した。12月の(保険証)廃止はやめさせましょう」と呼びかけました。

診療報酬上げれば賃上げできる

吉田統彦衆議院議員は、政府は賃上げをさかんに強調しているが、医療や介護、福祉現場の賃上げは、国が各報酬を引き上げることですぐに実現できるはずだと述べ、各報酬の引き上げを求めました。

「保険証廃止」百害あって一利なし

日本共産党の小池晃参院議員は、保団連のマイナ保険証のトラブル調査を河野太郎デジタル相が「百害あって一利なし」と発言したことを引き合いに出し、「保険証廃止こそ百害あって一利なしだ」と指摘した。

「保険証廃止」今からでも撤回すべき

れいわ新選組の天畠大輔参議院議員は「保険証の廃止は、意思決定や情報管理に他者が介入せざるを得ない重度障害者をも置き去りにする施策だ」「今からでも方針を撤回すべき」と指摘、廃止撤回を訴えました。

紙の保険証で何の問題も起きてない

医療や介護現場のリレートークでは、健康保険証の存続や医療・社会保障費の増額を求める声が相次いだ。保団連の二村哲理事は「ほとんどの方が紙の保険証を提示していて、これまで何も問題は起きておらず、むしろマイナ保険証に切り替えれば事務的な負担につながる」と訴えました。現場の看護師、介護士から「長時間労働による心身の疲労や離職増加、深刻な人手不足の解消に向けて医療や介護の予算増額など切実な訴えがありました。