令和6年能登半島地震の被害状況(随時更新中)

1月1日16時10分に石川県能登半島を震源地とする令和6年能登半島地震が発生しました。最大震度7を記録した地震の規模を示したマグニチュード7.6、石川県に東日本大震災以来となる大津波警報も出されました(2日午前1時15分に津波注意報は解除)。

地震の種類は内陸型の逆断層型です。北海道から九州まで揺れを観測しました。内陸・逆断層型の地震では阪神淡路大震災(M7.3)、熊本地震(M7.3)を超える規模です。震度1以上の余震が819回(1/5時点)も発生しています。気象庁も1週間程度は余震による家屋倒壊などの被害に警戒を呼び掛けています。

石川県の21医療機関、新潟県の2医療機関、富山県1医療機関で電気使用不可、水使用不可、医療ガス使用不可等の被害が発生(1月2日時点)

医療機関や家屋や電気・ガス・水道などインフラ停止など被害が発生しています。厚労省が発表した1月2日7時時点の被害状況(第6報)によると石川県の21医療機関、新潟県の2医療機関、富山県1医療機関で電気使用不可など被害が発生しています。(※厚労省の集約は病床がある医療機関のみで医科・歯科診療所の被害状況は把握されていません)

家屋の被害状況は続々と報道されていますが、倒壊家屋の下敷きになったり生き埋めになった被災者の報告や病院搬送が多数報告されています。

石川県 令和6年能登半島地震に関する情報

石川県発表(1月22日14時時点)によると死者233人、重傷者308人、軽傷者865人、安否不明者22人、全半壊+一部損壊37119棟

被害等の状況について(一覧)

輪島市、珠洲市で多数の家屋が倒壊しており、孤立した集落もまだ残されているなど、被害状況は安否確認などの全貌はつかめていません。被害状況、安否確認、倒壊家屋の下敷きとなった被災者の救助、二次被害の防止など救急対応が急がれます。土砂崩れによる幹線道路の寸断、道路の亀裂も多数発生しており、支援活動の高い障害となっています。一刻も早く医療機関をはじめ電気・ガス・水道、道路等のインフラの復旧が急がれます。各省庁、石川県等が発表している情報をお知らせします。発表内容は随時更新されますのでご確認ください。

気象庁地震の概要

発生時刻:1月1日16時10分
地震規模:マグニチュード 7.6(暫定値)
発生場所 石川県能登地方(輪島の東北東30km付近) 深さ 16km(暫定値;速報値 ごく浅いから更新)
発震機構:北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)
震度:【最大震度7】石川県の志賀町(しかまち)で震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6強~1を観測

地震活動の状況(15日17時00分現在)
1日16時以降、震度1以上を観測した地震が1405回発生(震度7:1回 震度6弱:1回 震度5強:7回 震度5弱:7回 震度4:41回 震度3:150回 震度2:374回 震度1:824回)

長周期地震動の観測状況:石川県能登で長周期地震動階級4を観測

防災上の留意事項

石川県能登地方を中心に活発な地震活動が続いています。
揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっていますので、今後の地震活動や降雨の状況に十分注意し、やむを得ない事情が無い限り危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図るよう心がけてください。

1日16時10分に発生した石川県能登地方を震源とする地震の津波注意報は、これ以上津波が大きくならないと判断し、2日10時00分に全て解除しました。津波注意報が発表されていた沿岸では津波に伴う海面変動が観測されておりますので、今後1日程度は継続する可能性が高いと考えられます。海に入っての作業や釣りなどに際しては十分な留意が必要です。

1月1日に発生したM7.6の地震により揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっていますので、復旧活動などを行う場合には今後の地震活動や降雨・降雪の状況に十分注意し、やむを得ない事情が無い限り危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図るよう心がけてください。

今後の地震活動の見通し

 1月1日に発生したM7.6の地震の発生前と比較すると依然として地震活動は活発な状態です。今後2~3週間程度、最大震度5強程度以上の地震に注意してください。最大震度6弱以上の地震についても、M7.6の地震の発生直後に比べると低くなってきているものの、依然として、発生する可能性があります。なお、日本海沿岸の大地震である昭和39年(1964年)の新潟地震(M7.5)や昭和58年(1983年)日本海中部地震(M7.7)、平成5年(1993年)北海道南西沖地震(M7.8)の際には、最大の地震の約1か月後に大きな規模の地震が発生しています。昨年12月までと比べて地震活動の範囲は広がっており、これまでより広範囲で強い揺れを観測しています。また、海底で規模の大きな地震が発生した場合、津波に注意する必要があります。
本日(15日)、地震調査研究推進本部地震調査委員会が開催され、この地震について詳細な検討がなされた結果、「これまでの地震活動及び地殻変動の状況を踏まえると、2020年12月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられる。特に今回の活動域及びその周辺では、今後強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある。」とも評価されています。

関係資料

気象庁 令和6年能登半島地震に関するポータルサイト

気象庁HP

医療機関等の被害状況

厚労省が発表した医療施設の被害状況1月23日6時00分時点

・石川県の10医療機関において水使用不可、医療ガス使用不可等の被害が発生中。
・石川県の2医療機関において倒壊の危険のある建物があるが、危険のある建物内の患者は搬出済み。
・福井県は現時点で被害報告無し。
・新潟県、富山県はすべて復旧済み。

石川県が発表した医療施設の被害状況1月17日14時00分時点

・能登総合病院 給水塔が破損・断水、七尾市から給水車派遣要請あり、給水車により給水済み
・富来病院 建物損傷、断水、ガス不通
・ほか、断水の病院 恵寿総合病院、七尾松原病院、輪島病院、珠洲市総合病院、穴水総合病院、宇出津総合病院、柳田温泉病院
・診療所 輪島市(倒壊3、停電1、断水1)、珠洲市(調査中)、能登町(調査中)、穴水町(断水1)、七尾市(停電1、断水27)、志賀町(断水8)、羽咋市(断水4)
※現時点で把握できる範囲
※診療再開した診療所数 能登北部18 能登中部55
※ 透析が必要な患者は、把握できる限り全て病院に繋ぎ、透析を受けられている
※ 能登北部地域で今月出産予定の妊婦はすべて分娩予定施設に搬送済み

電力・原発

・令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所の影響について(第3報)
・北陸電力送配電 停電情報 (rikuden.co.jp)
※石川県 珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、志賀町、七尾市、中能登町、内灘町の一部地域で停電

通信

・光回線インターネットはフレッツ光【NTT西日本公式】 (flets-w.com)
・令和 6 年能登半島地震による石川県の一部エリアにおける通信サービスがご利用できない状況について 1月4日 10報

道路・交通

・令和6年能登半島地震・金沢-能登間の道路通行状況 | 石川県
・奥能登2市2町へのアクセスルート
・ITS Japan 通行実績情報

避難生活・防寒対策

【緊急】令和6年能登半島地震で被災され 避難所、車中、停電中の自宅などに避難されている皆さんへ | 一般社団法人 避難所・避難生活学会 (dsrl.jp)

1.低体温症に注意してください

十分な暖房がないと低体温症の危険性があります。特にご高齢の方は体温を失いやすいことがわかっています。体の震えが止まらない、呼びかけへの反応が鈍いなど、低体温症の兆候が見られたら、すぐに体を温めるか、病院への搬送をお願いします。低体温症を防ぐため、防寒着を着用する、乾いた衣類を重ね着する、上着の中に新聞紙を詰める、体を寄せ合うなどして体温が失われないようにしてください。また、ベッドやマットレスなどで床に体温を奪われないようにすることや、温かい飲み物を飲むことも有効です。

2.車中避難されている方へ

余震の恐怖から車中避難をされている方もいらっしゃると思いますが、次の点に注意してください。

一酸化炭素中毒;ガレージや閉鎖環境でエンジンを点けていると、充満した排気ガスの一酸化炭素を吸入する恐れがあります。

エコノミークラス症候群;狭い車内で足を曲げた状態で長時間過ごすと足に血栓が生じやすくなります。定期的に歩いて足を動かすこと、足を伸ばせるようにすること、トイレを我慢しないこと、水分をとること(緑茶などカフェインは避けてください)などを心がけてください。

低体温症;エンジンを止めると車内の温度は急激に低下します。特別な装備がなければ避難所に移動してください。

新潟県作成:クルマで避難生活するときのリスクとソナエ [PDFファイル/3.87MB]

避難所・停電した自宅・車中泊 冬の寒さ対策と注意点をまとめて紹介 – NHK

メディアの報道

・医療に影響、透析停止も 職員「野戦病院のよう」|47NEWS(よんななニュース)
・低い耐震化率 高い高齢化率 「壊滅的」被害招く 能登半島地震 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
・「人命救助のめど」目前、政府も被害の全容わからず 自衛隊員を倍増 [能登半島地震]:朝日新聞デジタル (asahi.com)