乳幼児限定・顔写真なしマイナ保険証 「暗証番号」しか使えない!?

政府は今年12月2日から、新生児の出生届と同時にマイナカードの申請ができるよう変更します。また、1歳未満の乳幼児には顔写真なしのマイナカードが発行(有効期限は5歳の誕生日まで)されます。成長により顔貌変化が著しい等の理由によります。

総務省自治行政局が作成した資料によると、1歳未満の乳幼児は「顔写真あり」のマイナカードを希望することはできません。マイナ保険証として利用する際に、顔写真がないためオンライン資格確認システムの「顔認証モード」が使えないだけでなく、写真と本人の顔を照合することができないので「目視モード」の使用も不可とされています。

「暗証番号だけ」で使えないケースも

マイナカードの申請と暗証番号の設定を親などの保護者が行った上で、マイナ保険証として利用することになります。しかし、子どもは突発的な発熱やケガが多く、祖父母や保育施設の職員などが受診させることもしばしば想定されます。子どもの受診に付き添う可能性のある人すべてが、暗証番号を共有しなければならないのでしょうか(資格情報のお知らせやマイナポータルから閲覧できる資格情報などを用いることも考えられますが、その管理は非常に煩雑です)。

出生届と同時にマイナカードの申請ができる様式に変更すれば、出生時に子どものマイナカードを申請する方も増加すると考えられます。顔写真なしマイナカードのリスクを十分に理解せずに作成し、医療機関での資格確認に困難を来すことが予想されます。

生まれてすぐにマイナカードを持つことを可能にしてカードを普及させたい、という政府の思惑が先行した対応により、親など子どもを世話する人々が不利益を被ることになります。現行の健康保険証を残すべきです。