11月12日、保団連はデジタル大臣記者会見でNHK候補者アンケートに当選議員の55.1%が、保険証を廃止すべきでないないし廃止延期と回答していることから、廃止方針の変更の必要性を質しました。平大臣は、「マスコミ各社からたくさんアンケートが来る」「アンケートの問いもかなり幅広に多く」「自分の得意分野もあればあまり得意でない分野の設問もある」として、当選している議員が選挙前に示した態度を軽視した回答を行いました。
保団連が取り上げたNHKアンケートの設問には「回答しない」との回答項目も用意されており、平大臣の答弁のように理解が浅い場合には「回答しない」との選択も行い得るものでした。
有権者は投票前に各候補者の政策を様々なチャンネルから判断材料を得ています。選挙前のメディアアンケートの回答に国会議員は責任を持っていないとした平大臣の答弁は有権者を欺くことを正当化しているもので看過できないものです。また、真摯に回答して当選を果たしている国会議員達の権威や信頼を貶めるものでもあります。
平大臣は同時に、多くの国会議員が「資格確認書が申請なしに送られる」ことすら知らないと本音を吐露しました。周知徹底の強化が必要と述べました。「不安払拭ができていない」「周知・広報が不足している」というのであれば12月2日の新規発行停止は少なくとも延期すべきです。
<11月12日平将明デジタル大臣記者会見>
保団連
NHK衆院選候補者アンケートで「マイナ保険証で保険証廃止の是非」を問うた。当選者465人中、「廃止時期を延期すべき」が152人、「廃止すべきでない」が104人と回答。衆議院議員の256人(55・1%)が廃止延期もしくは保険証存続を求めた。
保険証廃止法案に「賛成」した政党でも自民(48人)、公明(3人)、国民(16人)、維新(8人)の計75人が「延期」と回答している。国民の民意に従い、少なくとも保険証廃止は延期すべきではないか?
平デジタル大臣
私も候補者の1人で選挙戦を戦った経験から申し上げるとマスコミ各社からたくさんアンケートが来る。アンケートの問いもかなり幅広に多く、私もかなり政策やってきた人間だが、自分の得意分野もあればあまり得意でない分野の設問もある。限られた時間の中で選挙戦を戦いながらアンケートに答えるのが実態だ。
国会議員でも、紙の保険証の廃止、マイナ保険証一体化の実施にあたり資格確認書が申請なしに届けられること自体を知らない。同僚議員や野党の議員もたくさん知らない人がいた。我々も反省すべき点は、保団連からいろんな指摘を受けて、それに対して政府も解決策を示しているが、しっかり広報していくことが重要だ。候補者や国会議員ですら知らない事例が私の周りでもたくさんありましたので、しっかり広報をしてまいりたい。成立した法律に則り、予定通り進めていきたい。
保団連
国会議員も知らない、情報がそこまで行き届いてないと言われたが、医療機関や国民はもっと理解が進んでいないと思う。ウェブサイトでの周知広報をしているようだが、やはり医療現場を通じて患者・国民に周知すべきだ。12月2日まで時間がないで、より一層の広報をお願いしたい
平デジタル大臣
前大臣から私に大臣が変わった中で、一つ大きな方針転換があった。今までは「やっぱりマイナ保険証どんどん利用してください。登録をしてください。紐づけしてください」とお願いをもっぱら広報してきた。その大きな方針は変わらないが、ただそれに対して不安を持っている方に、不安解消する方向で広報をそちらにシフトしてやるように指示している。12月2日に向けて政府広報においてもそうした不安払拭に向けた広報をさらに強化したい。