【11月15日厚労大臣記者会見】国家公務員のマイナ保険証利用率は50%目標に遠く及ばず

保団連は、11月15日の厚労大臣記者会見で国家公務員のマイナ保険証利用率について質問しました

9月の利用率が国民より低い結果となったことについて福岡厚労大臣は、「十分に普及していない状況だ」との認識を示しました。

これまで国家公務員が率先してマイナ保険証を使っていただくよう、各省庁の共済組合を通じ、メール等での利用勧奨等を行ってきたと引き続き、利用促進の取組を行っていく必要があると述べました。

厚労省が公立病院や健保組合に11月末までに50%を目標に掲げさせたり経済的インセンティブも設けて利用促進に駆り立てていたことの言及はありませんでした。

福岡大臣は、「医療DXの基盤であるマイナ保険証には、より良い医療の提供を可能にするなどのメリットがあり、こうしたメリットをいち早く国民の皆様に実感していただくため、法律で定められたスケジュールに沿って、12月2日のマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて取り組んでいる」と述べましたが、健康保険証を廃止したらメリットを実感してもらえるとは論理が矛盾してます。トラブルが多く、健康保険証に比べて手間もリスクも負うことになるマイナ保険証のメリットを何も感じないから利用率が向上しないのではないでしょうか。

<11月15日厚労大臣記者会見>

保団連

マイナ保険証利用率について質問します。9月の国家公務員のマイナ保険証利用率が国民全体の利用率より低い結果となりました。国民にはマイナ保険証利用を強引、強力に推し進めてきましたが、結果として国民より低い利用率となったことについてどのように評価・分析されていますか。

福岡厚労大臣

本年9月時点の国家公務員共済組合のマイナ保険証の利用状況を公表した際、厚生労働省においては、本省支部の利用率が28.50%、国共済全体としては、利用率が13.58%でした。いずれも十分に普及していない状況だということはご指摘の通りだと思います。国家公務員については、率先してマイナ保険証を使っていただくよう、各省庁の共済組合を通じ、メール等での利用勧奨等を行ってきたところですが、厚労省においての本省支部は28.50%であるように、各支部、省庁によって、かなり利用率等が違う状況があります。そういったことを受け、利用状況が低調な加入者の多い組合を中心に働きかけるなど、引き続き、利用促進の取組を行っていく必要があると考えています。

保団連

関連して、厚労省は、公立病院や各保険者に11月末時点で50%の利用率の目標設定を依頼してきました。健保組合が負担する後期高齢者支援金の加減算制度において、50%を超えたら加点対象となるなど経済的インセンティブも駆使して利用促進に駆り立ててきました。国家公務員のマイナ保険証利用率が11月末時点に50%に到達しなかった場合、12月の保険証新規発行停止は延期すべきではないでしょうか。

福岡厚労大臣

私も再三申し上げてきたように、医療DXの基盤であるマイナ保険証には、より良い医療の提供を可能にするなどのメリットがあり、こうしたメリットをいち早く国民の皆様に実感していただくため、法律で定められたスケジュールに沿って、12月2日のマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて、現在、取り組んでいるところです。マイナ保険証への移行に際しては、最大1年間、現行の保険証が使用可能であるほか、マイナ保険証を保有しない方には、申請によらず、資格確認書を発行するなど、全ての方々が安心して確実に保険診療を受けていただける環境整備に取り組むこととしており、国民の皆様の不安の解消に向けた対応を丁寧に講じながら進めてまいりたいと感じています。スケジュール通り進めていくということですが、そこにご対応いただけない方に関しては、しっかり丁寧に対応していくということです。

保団連

50%の目標を国家公務員が達成しないことについてどう思われますか。

福岡厚労大臣

50%ということについて、利用率を上げていただく、そういう取組についてそれぞれしていただく。それは今後とも引き続きやっていく中で、まだマイナ保険証の登録をしていただいていない方については、引き続き丁寧に対応していきたいということです。