【電子処方箋トラブル】紐づけミスで異なる医薬品が表示される

厚労省は、12月10日、医療機関等向け総合ポータルサイト上で厚生労働省からの重要なお知らせとして、「電子処方箋の発行・応需において、医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていないと、医師・歯科医師が意図した処方とは異なる医薬品が薬局側で表示されてしまう可能性があります。」と医療機関・薬局に注意喚起しました。

電子処方箋管理サービス – 【厚生労働省からの重要なお知らせ】【電子処方箋】医薬品のマスタ設定等のご確認のお願い

 

処方とは異なる医薬品が表示

電子処方箋を発行している医療機関が電子処方箋のデータを登録する段階で生じたトラブルです。医療機関が用いる医薬品コードが独自のコードを利用している場合、電子処方箋管理サービスで用いるコードと合致するよう変換テーブルなどで正しく紐づけする必要がありますが、紐づけが正しく行われていない場合、処方した医薬品と異なる医薬品が表示がされることが事例として紹介されています。

 

事例1 医療機関・薬局において独自に使用しているコード(ハウスコード)と、電子処方箋で用いるコード(YJコード、レセプト電算コード、一般名コード)との紐付けが誤っており、意図されたものとは異なる医薬品が表示された。

事例2 過去に医療機関から、医薬品(A)がダミーコードで記録された処方情報が送られてきた際、薬局においてダミーコードを特定の医薬品(A)として紐付けてしまった(必ずしもコードが画面表示されているとは限らない)。このため、その後に別の医薬品(B)がダミーコードで処方情報として送られてきた際、(同一コードのため)意図されたものとは異なる過去に紐付けてしまった医薬品(A)が表示された。

 

厚労省担当課によると異なる医薬品の表示は、当該患者への処方段階の誤表示だけでなく過去の医薬品履歴の照会でも誤表示される可能性があるとのことです。誤表示に気づかず処方した場合、患者の健康に影響する可能性があります。政府は、マイナ保険証・医療DX推進し、適切な医療提供=医療費削減に繋がると強調していますが、正しい処方情報が登録されることが大前提です。少なくとも電子処方箋の拙速な推進は立ち止まるべきです。