栃木県保険医協会は、12月2日に健康保険証の新規発行が停止されたことによる医療機関での影響調査を実施しました。FAX登録のある医科会員と歯科会員合わせて645名に対して調査票を送信。締切りとした12月18日までに192件(回答率29.8%)から回答がありました。調査結果についてまとめましたので、以下の通り報告いたします。
トラブル発生は不変「負担感じる」66%
先に実施したトラブル調査第4弾同様にトラブル発生の状況を聞いたところ、「●がでる」(旧字体が正しく表示されず、黒丸が出る)107件(回答率55.7%)、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」78件(同40.6%)、「資格情報が無効」56件(同29.2%)と続きました。
「特にトラブルはない」36件(18.8%)となりこれらの医療機関では窓口業務での混乱は少ないともみられますが、一方、窓口業務で負担が生じているかの設問には「とても負担を感じる」49件(同25.5%)、「負担を感じる」79件(同41.1%)と合わせて7割弱の医療機関で混乱が生じている事が調査結果より伺えます。
従来の健康保険証「復活を望む」67%
先日、福岡厚労大臣が12月2日から1週間のマイナ保険証の利用率が28.29%であった事を発表しました。協会の調査結果においてもマイナ保険証証の利用が増えていることは明らかで、マイナ保険証の利用に「メリットを感じる」40件(同20.8%)でした。理由としては、「初診時の保険情報の入力が省ける」「医療情報がわかる」「資格情報が確認できるので返戻が減った」等となっています。
保険証が廃止された後、立憲民主党が「復活法案」を提出するとの報道があり、その事に対する設問には、保険証の復活を「望む」129件(同67.2%)、「望まない」7件(3.6%)との結果となりました。先述のマイナ保険証の利用にメリットを感じると回答した会員比で見ても、「復活を望む」19件(47.5%)であり、医療現場では引き続き保険証を利用して患者が受診できるよう望んでいることが分かりました。
栃木県保険医協会では、マイナ保険証に対して否定的な立場ではなく、保険証とマイナ保険証どちらも利用できるよう求めて今後もこの課題に取り組んで参ります。
【送付総数】645件
※12月9日に栃木県保険医協会の会員医療機関に調査票をFAX送信
【回収数】 192件
※FAXで返信、およびGoogleフォームによる。
【回収率】 29.8%