厚労省資料(第189回社会保障審議会医療保険部会資料(2025年12月12日)・一部修正)を元に推計したところ、高額療養費制度を年4回以上利用されたいわゆる多数回該当の方が142.5万人に上ることがわかりました。
多数回該当とは、直近1年間(=現在の月から数えて1年間)で3回、高額療養費の支給対象となった場合、4回目以降は自己負担限度額がさらに下がる仕組みで長期療養の方にとって欠かせない仕組みです。
政府が提案している高額療養費の限度額引き上げは、多数回該当の上限額も引き上げられます。例えば、年収650万から770万円の層では現行48900円が2027年8月からは76800円に限度額が1.57倍も引きあがります。
現役世代(70歳未満)でも67.5万人が多数回該当の利用者です。現行の限度額でも高額な治療費を支払うため、ギリギリの生活を余儀なくされている方が多数です。患者さんの家計や治療費の実態を聞けば、限度額引き上げる余地などありません。高額療養費の限度額引き上げは白紙撤回すべきです。
<多数回該当の利用者数>
70歳以上(3.0%)=10万人×(3.0÷0.4)=75万人
70歳未満(0.9%)=15万人×(0.9÷0.2)=67.5万人
※合計 142.5万人(粗い推計)