【4月24日記者会見】歯科医療は崖っぷち! このままでは歯科治療も入れ歯もできなくなる!?

歯科医療提供体制の危機-地域での歯科受診困難に
保険で入れ歯や差し歯が作れない? 歯科技工士の実態
約3割の歯科医療機関で深刻な経営状況

当連合会が実施した歯科関連の2つのアンケート結果を公表します。アンケート結果から、歯科医療提供体制の確保が困難な状況となることが危惧されます。多くのご参加をお願いいたします。

<概要>

■歯科技工アンケートについて、超高齢社会の進行に伴い歯科治療の需要は増加することが予想されています。一方で、公的歯科医療をささえている多くの高齢層の歯科技工士の引退が迫ると同時に、若い技工士の離職もすすんでいます。アンケート結果では、約4割の技工所で週70時間を超える長時間労働となっているにもかかわらず、年収は300万円以下が約4割、500万円以下は65%との厳しい状況となっています。こうした厳しい現状は前回2016年調査から何ら改善していません。歯科技工士の置かれた実態から、高齢者のみならず、患者・国民が保険による歯の被せ物や入れ歯などにより口腔機能の回復をはかる「補綴治療」が困難になることが危惧され、改善が重要な課題となっています。

■保団連歯科会員アンケートは、診療報酬改定の影響、改定内容の評価などを集約し、診療現場の実態を伝えて診療報酬改善を図るために、改定のつどに実施しています。2024年度診療報酬改定をふまえた歯科会員アンケートの結果から、今次改定をへても改善されない経営実態が明らかとなり、「閉院を検討」すると回答した会員は前回調査の2倍となるなど、歯科医療機関の厳しい現状が明らかとなりました。

■歯科医療提供体制の危機
歯周病と糖尿病との密接な関係など、口腔の健康が全身の健康に寄与することが明らかとなり、診療報酬では糖尿病患者の医科歯科連携の評価が導入されるなど、歯科医療の重要性は増しています。一方で、長年にわたる歯科医療費抑制策のもと、物価高騰などが直撃し地域医療を支える歯科医療機関と歯科技工所の経営はひっ迫しつづけ、厚労省調査では無歯科医地区が増加に転じたことが公表されています。国民がこうした問題を知らないままに、住み慣れた地域で歯科受診ができなくなる事態が危惧されます。

日時:2025年4月24日(木)15:30~16:30
場所:厚生労働省内会見場
テーマ:「歯科技工所アンケート」「歯科会員アンケート」結果から見える歯科医療提供体制の危機

【会見資料】

全国歯科技工所アンケート リリース

歯科会員アンケート リリース

歯科診療所数の推移など参考資料