
長期にわたる極端な円安でガソリン価格や灯油価格が上昇し、それに伴う諸物価の高騰が著しい。わが国の主食である米までも品不足と高騰で庶民の生活を直撃し、生活の不安と政府への不満が拡大しています。
これに対し、石破政権は3~5万円の一時金を配り、政権の浮揚が考えられたが国民にも評判がよくなく、消費税減税が注目されています。直近のマスコミ各社の世論調査では、6割が消費税減税に「賛成」しています。
こうした世論を背景に、各党も消費税減税に言及し始めています。減税に消極的であった野党第1党の立憲民主党も、食料品などにかかる税率を1年間ゼロ%に引き下げることを参院選の公約に掲げました。自民党でも参議院議員の8割が消費税率引き下げを求める意見を党執行部に伝えたと報じられています。
一律5%引き下げで減税効果10兆円
食料品の税率をゼロ%にする政策については、「せめて食料品だけでも」という生活者の切実な思いの反映です。しかし、一律5%への減税効果が10兆円以上である一方、食料品ゼロ%の減税効果は5兆円程度と言われており、限定的です。また、食料品をゼロ%にするかわりに、標準税率を今の10%以上に引き上げる口実にもされかねず、警戒が必要です。
世界ではすでに100を超える国と地域で、消費税(付加価値税)の減税が行われ、国民の生活を楽にするだけなく、購買力上昇で景気を回復させている。物価高騰対策としても消費税減税が有効です。
非関税障壁の撤廃を世界各国に強く迫っている米・トランプ大統領は各国の消費税(付加価値税)を関税と同視しており、消費税減税の追い風にもなっています。7月に行われる参院選では、消費税減税が大きな争点となり、現実味を帯びてきています。
消費税は社会保障のためは虚構
消費税導入から36年が経ちました。国民の負担は増えても、医療や介護の給付は下げられ、社会保障は悪化の一方です。消費税が社会保障のためというのは現実にも虚偽であることははっきりとした実感です。
保団連は基本要求で、「緊急に5%減税」「将来的には廃止を目指し、減税を実施すること」、「インボイス制度廃止」を求めています。消費税廃止各界連絡会などとも共同して、引き続き取り組みを進めていきます。