「有効期限切れの保険証でも医療機関を受診できます」 厚労省が暫定措置を通知

多くの国民健康保険の被保険者において7月末に健康保険証の有効期限が切れて使えなくなります。7月末の有効期限切れ問題に対応するため厚労省は、6月27日に各自治体等に事務連絡を出しました。

期限が切れた健康保険証や「資格情報のお知らせ」のみを持参した場合でもオンラインで資格確認を前提に認めると言う対応です。令和8年3月末までの対応となります。

保団連は、医療現場のトラブル調査を示し、マイナ保険証の有効期限切れ(25年度は2800万件)への対応として、マイナ保険証の利用登録を行った方へも資格確認書を交付する対応などトラブルへの緊急対応を強く要望してきました。また、トラブルの一つとして、単体で利用できない「資格情報のお知らせ」のみを持参し、10割負担を強いられた事例なども示してきました。今般の事務通知は、こうした医療現場の混乱を回避するための緊急対応として出されたものですが、法令(療養担当規則)を超越した超法規的対応とも言えます。暫定措置は令和8年3月までの対応ですが、マイナ保険証の有効期限切れが今後3年間で数千万件発生します。

期間限定の暫定措置での対応ではなく、健康保険証をこれからも使えるようにし、マイナ保険証と併用すれば一瞬にして解決する問題です。

 

<6月27日付事務通知抜粋>

しかし、令和7年8月1日以降、多数の自治体で国民健康保険の健康保険証が有効期限切れにより順次失効していくことにより、気がつかずに有効期限が切れた健康保険証を引き続き持参してしまう患者、健康保険証の切り替えに伴って通知された「資格情報のお知らせ」のみを持参する患者が保険医療機関等を訪れることも当面は想定される。

〇患者が有効期限を迎えた従来の健康保険証からの切り替えやマイナ保険証の電子証明書の有効期限の更新等への対応が必要な中において、こうした場合の移行期の対応として、患者に10割の負担を求めるのではなく、保険給付を受ける資格を確認した上で適切に受診が行われるよう、被保険者番号等によりオンライン資格確認システムに資格情報を照会するなどした上で、患者に対して3割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用は、保険医療機関等の現場における実態を勘案すれば、暫定的な対応として差し支えないものと考える。

〇こうした移行期における暫定的な対応は、最後に切り替わる自治体の健康保険証の有効期限が令和7年12月1日であることに鑑み、令和8年3月末までの対応とし、あわせて、保険医療機関等から患者に対し、次回以降はマイナ保険証又は資格確認書を持参いただくよう働きかけることについて御協力いただきたい。