
スマホマイナで受診できると誤解
まだサービスが開始されていないスマートフォンに搭載したマイナカードで受診され、医療機関で利用できない事態が発生しています。
「会社が変わって新しく保険証が発行されないので、スマホ搭載のマイホで受診された患者さんが医療機関側は9月からの対応になるので、使えないことを説明した上で、常連さんなので、登録済の情報で対応しました(大阪のクリニック)」
当該患者さんは最近会社が変わったため、前の会社の保険証が回収されていました変わった後の会社では、保険証廃止のため、当然発行されませんその状況で、患者がスマホに搭載したので、保険証が提示できないことになりました。
デジタル庁が6月24日にマイナカードのスマホ搭載サービスは開始しましたが、マイナ保険証として利用は開始されていません。スマホ搭載のマイナ保険証を利用できると誤解された患者さんがいます。7月末で保険証が利用できなくなったことも影響しています。
スマホ対応の専用カードリーダーの設置は任意
スマホ搭載のマイナ保険証の読み取りに必要な専用カードリーダーを設置した医療機関でないと利用できません。スマホ専用のカードリーダーの設置は医療機関の任意です。スマホマイナ保険証で受診した患者さんと医療機関・薬局との間でトラブルが生じることを強く懸念しています。保団連は、8月8日の厚労大臣記者会見でスマホ搭載のマイナ保険証について国民・医療機関に周知すべき事項を質問するとともに国民に広く周知することを要望しました。
開始後も使えるところ少ない 患者トラブル回避向けて注意喚起必要
福岡厚労大臣は「9月中旬頃から準備が整った医療機関・薬局から順次、利用を開始する。その利用の周知については、医療機関等に対しては、必要な準備についてオンライン資格確認のポータルサイトやメールにて、また、国民に対しては、事前の準備や、医療機関等での利用手順等について、厚生労働省のホームページにてそれぞれお伝えしている」「9月の利用開始後は、スマートフォンのマイナ保険証に対応した医療機関等を順次ホームページに掲載していく。スマホでの受診に当たっての留意点も、今後、周知を行っていく」と答弁しました。
特に注意すべき点として、「初めて受診する医療機関の場合に、マイナンバーカードをご持参いただくか、もしくは事前に自分がかかる医療機関に、対応しているかどうかお問い合わせいただくということも、一つのやり方」と例示した上で、「どういうことに留意していただかなければいけないのかについて、しっかり整理をした上で、周知を行ってまいりたい」と答弁しました。9月中旬以降に開始されても、当初はスマホカードリーダーを設置していない医療機関・薬局が大半です。専用カードリーダーの普及が進まないまま、「スマホマイナ」の利用促進を強調して広報すると、既に生じている誤解を広げ医療現場の窓口は大混乱に陥ります。
福岡大臣は、スマホマイナ保険証を登録・利用する際の留意点を周知すると明言しましたが、早急に十分な広報など対策を実施すべきです。
マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問|厚生労働省
特に注意すべき点
スマホ搭載マイナ保険証はまだ利用できない ⇒ 現時点は実証実験中 9月中旬以降に開始される予定
専用カードリーダーを設置していない医療機関等では利用できない ⇒ 一部の機種を除き現在医療機関・薬局に設置されている顔認証付きカードリーダーではスマホマイナは利用できない。
マイナンバーカード(電子証明書)の有効期限が切れると使えない ⇒ スマホマイナも連動して失効するため、利用することはできない。市区町村窓口でマイナンバーカードや電子証明書を更新した上でマイナポータルからスマホマイナの利用手続が必要。
初診時のマイナカード持参すべき ⇒ 初診で受診する医療機関では専用カードリーダーを設置していない場合がある。厚労省はホームページ上で設置医療機関を公開予定
15歳未満はスマホ搭載できない ⇒ 15歳未満はマイナンバーカードの署名用電子証明書を搭載できない。 スマホマイナの初期登録の際に署名用電子証明書が必要となるため、スマホ搭載は不可。
機種変更時に削除と再登録が必要である ⇒ スマホ1台に一つのマイナンバーカード(電子証明書)しか搭載できないため、古いスマホの電子証明書を削除した上で新しいスマホに登録しなおす必要がある。
- 福岡大臣会見概要 |令和7年8月8日|大臣記者会見|厚生労働省
- 保団連
- スマホ搭載のマイナカードについて質問します。職場が変わり保険証が発行されなくなったため、スマホ搭載マイナカードのみで受診された事例が、8月以降に発生しています。この事例については、再診患者のため、事なきを得ましたが、マイナカードや資格情報のお知らせなどを持ち歩かずにスマホのみで受診されトラブルになることを強く懸念しています。スマホ搭載マイナ保険証はまだ利用できません。専用のカードリーダーを設置していない医療機関でも利用できません。初診時はマイナカード持参すべきということも、前回ご回答いただきましたが、そういったリスクや注意点を、国民向けに広く周知すべきと考えますが、周知すべき事項、もしくは周知すべき方法についてご見解をお願いします。
- 厚労大臣
- 先ほども申し上げましたが、スマートフォンへのマイナ保険証の搭載については、本年7月から実証事業を実施しているところですが、検証を行った後、9月中旬頃から準備が整った医療機関・薬局から順次、利用を開始することとしています。その利用の周知については、医療機関等に対しては、必要な準備についてオンライン資格確認のポータルサイトやメールにて、また、国民の皆様に対しては、事前の準備や、医療機関等での利用手順等について、厚生労働省のホームページにてそれぞれお伝えしているところであり、9月の利用開始後は、スマートフォンのマイナ保険証に対応した医療機関等を順次ホームページに掲載していく予定です。今、いろいろなご指摘をいただきました、国民の皆様に向けて、スマホでの受診に当たっての留意点も、今後、周知を行っていくなど、皆様が円滑に医療機関等を受診できる環境の整備に取り組んでまいりたいと思います。
- 保団連
- 特に注意すべき点として、カードリーダーを設置していない医療機関、専用のですね、使えないという事故が起こるだとか、15歳未満のスマホ搭載ができないですとか、そういった仕組みも含めて、国民は全然知らない、私も全然知らなかった話が結構ありますので、そういったことがないとトラブルになりますので、特に現時点で、これは重要だと思われることがありましたら、二、三ご紹介いただければと思います。
- 厚労大臣
- 今ご指摘がありました、例えば、始めて受診する医療機関の場合に、マイナンバーカードをご持参いただくか、もしくは事前に自分がかかる医療機関に、対応しているかどうかお問い合わせいただくということも、一つのやり方でしょうが、どういうことに留意していただかなければいけないのかについて、しっかり整理をした上で、周知を行ってまいりたいと思います。