被用者保険でのマイナ保険証を利用登録していない方への資格確認書の一括交付について、保団連は、9月26日の厚労大臣記者会見で質問しました。
健保連は加盟組合に対して、マイナ保険証を利用登録していない被保険者への資格確認書一括交付に際して、一括交付対象者が「マイナ保険証を使用しないという明確な意思は確認できない」と断定し、資格確認書を通常とは異なるサイズや有効期限(A4サイズ、短期)の仕様で交付することを推奨し、早期のマイナ保険証への切り替えを促しています。
愛知健保連がA4サイズ、短期間の資格確認書発行を指南 – 全国保険医団体連合会
健保連が提案する有効期間も短いA4サイズの資格確認書は、使い勝手が非常に悪く被保険者本人だけではなく、子どもや扶養家族となる親にも影響します。保団連は、被保険者へのこうした対応はマイナ保険証への露骨な誘導であり、嫌がらせとも捉えられかねないと指摘しました。また、「マイナ保険証を使用しないという明確な意思は確認できない」と恣意的に解釈するのではなく、マイナ保険証を利用登録していない方には無条件で通常の資格確認書を交付すべきではないかと主張し、厚労大臣の見解をただしました。
福岡厚労大臣は、「資格確認書をどのように発行するかは、各組合がそれぞれの実情に応じて判断するもの」、「資格確認書のサイズや有効期間を健保連が一律に指定しているものではない」「あくまでも健保連も、提案という形でお示ししていると認識しており、これだけをもって直ちに不適当であるとは申し上げられない」と答弁。その上で、「患者の方々が医療機関等を切れ目なく受診できるような環境について、引き続きしっかり注視してまいりたい」と述べました。
保団連は、「資格確認書は本人だけでなく、子どもなど扶養家族にも発行交付される。同じ健保組合の資格確認書を交付される被保険者の中で、通常の資格確認書を交付する人と、A4短期のもの交付する人を区分けした対応は問題」「マイナ保険証を利用登録していない方には申請なしに資格確認書を交付しするとのこの間の厚生労働省の説明や大臣答弁とずいぶん乖離している」と指摘し、健保連が提案するような運用とならないよう求めました。
福岡大臣会見概要 |令和7年9月26日|大臣記者会見|厚生労働省
保団連
資格確認書の一括交付についてお伺いします。健保連は加盟組合に対して、マイナ保険証未紐付けの方に資格確認書を一括交付する際に、マイナ保険証を使用しないという明確な意思は確認できないと断定され、資格確認書を通常とは異なるA4サイズで、短期の仕様で交付し、早期にマイナ保険証への切り替えを促しています。使い勝手が非常に悪く、期間も短いA4サイズの資格確認書を被保険者本人だけではなく、子どもや扶養家族となる親にも発行することを意味しますが、これはマイナ保険証への露骨な誘導であり嫌がらせとも捉えられなくもないと思います。マイナ保険証を使用しないという明確な意思は確認できないと恣意的に解釈するのではなく、マイナ保険証を利用登録していない方には無条件で通常の資格確認書を交付すべきではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
福岡厚労大臣
マイナ保険証であっても資格確認書であっても、患者の方々が必要な医療を受けられる環境を整備することは大変重要であると考えています。その上で、どのようなサイズの資格確認書を発行するか、また、資格確認書の有効期間をどのように設定するかは、各保険者において、実務体制に応じて設定されるものです。各保険者において、患者の方々が医療機関等を切れ目なく受診できるような対応を徹底するとともに、加入者に対しても丁寧に説明していただくことが重要であると考えており、引き続き周知を図っていきたいと考えています。
保団連
同じ健保組合の資格確認書を交付される人の中で、通常の5年とか、通常のカードサイズのものをA4短期のものと区分けするというところに問題を私たちは指摘しています。例えば被用者保険であって、私は協会けんぽなのですが、何も意思表示しなくても資格確認書を家族の分、きっちりプレート型のものが来ましたので、それが当然であるべきだと思います。この間の厚生労働省の説明と大臣の答弁とで、組合の自治というのは分かりますが、ずいぶん乖離していると思うので、是非そういったことがないように、運用上のご見解をあらためてお示しいただければと思います。
福岡厚労大臣
先ほども申し上げましたが、資格確認書をどのように発行するかについては、各組合がそれぞれの実情に応じて判断するものであり、資格確認書のサイズや有効期間を健保連が一律に指定しているものではないと承知しています。あくまでも健保連も、提案という形でお示ししていると認識しており、これだけをもって直ちに不適当であるとは申し上げられないと考えていますが、先ほども申し上げたように、患者の方々が医療機関等を切れ目なく受診できるような環境について、引き続きしっかり注視してまいりたいと思います。