【OTC類似薬・記者会見】愛知県在住/子ども医療費、アレルギー・アトピー家族  「子どもに必要な量の薬を確保してあげられるか不安しかない」

2025年11月27日

山田みなみさん(仮名)
神奈川県在住/神経難病

私は OTC 類似薬の保険外しに絶対反対です。私自身、25 年前から難病指定はされていない神経の病気を抱えています。24 時間両手の二の腕から指先まで、走るような痛みとしびれがあり、ちょっと負荷をかければ氷のよう
に冷たくなって、脱力して力が入らなくなります。服がこすれる刺激で痛みが増し、天気にも大きく左右されながら日々痛みと生活しています。今は非オピオイド系鎮痛剤と呼ばれる、いわゆるガンの痛みに止めに使う鎮痛剤を使うだけで日常生活はきますが、関節がすぐにかたまってしますので、薬を飲みながら、常に痛みに耐えてリハビリをして現状を保っています。
非オピオイド鎮痛剤は便秘になるのでマグミットが必要です。私は副作用で全身がかゆくなるので、アレグラなどのかゆみ止も飲んでいます。副作用があるのが分かっていても、飲まなければ寝られない、動けないので仕方なく薬を飲みます。頓服を含めれば 10 種類以上、月に 1 万円ほどの薬代がかかります。悪い状態の時はもっとかかりました。今もらっている薬の中には、ロキソニンなど OTC 類似薬も含まれているので、保険から外されると、本当に困ります
知り合いに、じだか、じだから、と言って、薬局で薬を買い続けて、やっぱりおかしいと病院に行ったときは末期ガンで 1 年たらずして亡くなった人がいます。OTC 類似薬の保険外しはそういう人を増やすだけではないですか?病気が見つかって、すぐ死んじゃったから医療費かからなくてよかったね、となるような制度を国が進んで作らないでほしいです。
慢性疾患は除外されるからいいだろ、少しの品目だからいいだろ、という人も多く見られますが、そもそも明日病気になった人が慢性疾患までにたどりつくまでにどれだけの期間が、どれだけの費用がかかるか分かりますか?
私もそうですが、診断がつくまで 5 ヶ所の病院をまわり、わかないね、なんだろうね、と言われ診断まで 3 ヶ月かかりました。これでも早いほうです。
病気になりました、はい診断されました。「はい、あなたは除外」ね、と、すんなりならないのが現実です。
もし病気を発症して、診断がつくまでのあいだ、薬局で薬を買い続けられますか?病名が分からない不安な状態で、高額の薬代を払い続ける。そんなことできますか?病気というそれだけで不安と絶望と恐怖に襲われているなかで、薬が保険で処方してもらえない、または診断つかないから自費ね、なんて考えただけでも恐ろしくなります。
今回の OTC 類似薬の保険はずしは、こういうことが誰にでも降りかかるってことを、分かってほしいです。
経済対策の 1 つとしてこの OTC 類似薬の保険はずしを提案しているようですが、冗談じゃない。お金じゃないんです。命のことなんです。
私は、薬がなければ、生活していけません。治る保証もないので、薬をやめられる未来もありません。しかも、好きで病気になったわけでもなく、生活習慣がわるくてなったわけでもなく、医者からは運が悪かったね、と言われました。
今、保険外しに賛成している人は、いまの時点で健康でケガもして無くて、病院にかからず薬の必要が無い状態だから、そう言えるのではないですか?ただ運が良くて、今の時点で健康なだけです。あと 5 分後に事故に遭うかもしれない、あした高熱をだして、未知な病気にかかるかもしれない、そのとき助けてくれるのが、今の保険制度であり、保険で処方される薬です。
薬局で高額で買うしかなく、買った薬箱には 10 個くらいしか入って無くて、すぐ無くなってまた買ってってという状況を想像してみてほしいですきっと、今一緒に反対を訴えている人たちは、みんな同じく好きで薬を使っているわけではないんです。医療費を圧迫していると薬を飲んでいることが悪いように言われ、本当にかなしいです。
薬なんてやめられるものなら、やめたいって思っている人が大半だと思います。でも、やめられないんです。生きていくために必要なんです。一人ひとりの命が、生きていくために必要な、大切な制度を残してください
病気になっても、いま病気でも、誰もが生きていける未来を残してください。OTC 類似薬保険外し、絶対にやめてください

 

三原裕子さん
愛知県在住/子ども医療費、アレルギー・アトピー家族
「OTC 類似薬の保険外し」に反対

我が家の小5の息子は、食品、金属、ダニほこりと、(深刻ではないまでも)慢性的なアレルギーを抱えています。生後2ヵ月の頃には、全身アトピーで、頭から爪先まで、ステロイド塗り薬を1日7本塗った時期もありました。2歳の頃からは、(OTC 類似薬の)リストにある“クラリチン”や“ロラタジン”を朝晩必ず服用し、朝の着替え時、夜のお風呂上がりには“ヒルドイド”を全身塗っています。今、10歳ですが、このルーティンは続いています。毎日です。飲み忘れ、塗り忘れがあると、夜中に背中やお尻が痒くて眠れず、“かーちゃん、掻いて”と私を起こします。薬を毎日飲み続けて、身体に負担がないのか、また、いつまで飲むのか、と思いながら、先日受診した際に思い切って主治医の先生に訊いてみると、「これ飲んで症状が収まっているなら、むしろ御の字!一生飲んでていい」と。。。飲み続けても大丈夫なんだ、という安堵と、“一生かー、、、”という落胆と、、、

また、姉の、中3の娘は花粉症で、4歳の頃から季節の変わり目ごとに数ヶ月の間の点眼薬、点鼻薬が欠かせません。今回、保険外しのリストにある点眼薬“エピナスチン”も普段から眼科で処方される点眼薬です。
この、我が家のふたりの子どもたちに毎月処方されるこれらの薬、今は、子ども医療費助成制度のおかげで薬代を自分の財布から、つまり、家計から出すということはありません。そのもとで我が家の家計を組んでい
るので、毎月の予算にこれらの薬代は計上されていません。
それでも、コロナ禍以降、続く物価高で、家計を切り詰めながらなんとか高い米を買って、足りない時はパンで我慢、な日々です。
数年前、夫の転勤で、愛媛県松山市に越したことがあり、当時、松山市は子ども医療費の助成が未就学児までだったので、花粉症の点眼薬を処方されて窓口で1本2千円と言われ、払えなくて本数を減らしてもらったということもありました。薬は、嗜好品ではありません。払えないなら処方してもらわなければいい、と言うわけにはいかない。
保険外し、子ども医療費も適応されない、ということになれば、我が家は果たして、子どもたちそれぞれに必要な量の薬を確保してあげられるのだろうか、と不安しかありません。
「現役世代の保険料負担の軽減のため」といいますが、保険料の負担が数百円軽くなっても、毎月何千円、何万円の負担。。。アレルギーの子を持つ家庭は仕方ない、自己責任、ということでしょうか?
食生活や環境の変化で何らかのアレルギーを発症する子どもたちは年々増えていて、私の周りを見ても、子どもがアレルギー、薬を常時飲んでいる、というご家庭は多い。少しでも身体の負担なく快適に日々を送る助けになるこれらの薬が保険外になるのは、子育て支援、少子化対策に逆行する施策であり、反対です。