
政府は、2023 年12 月22 日に閣議決定した「こども未来戦略」において、こども・子育て加速化プランの財源を28年度までに3.6兆円の財源を確保するとしています。財源(子ども子育て支援金)は医療保険者が被保険者から徴収されます。現在の社会保険料とは別に追加徴収すると社会保険料が上昇に繋がります。政府は、さらなる負担増への国民世論の反発を恐れて、2028年までに3.6兆円のうち1兆円を医療・介護など社会保障制度を削減することで保険料上昇を抑制するという方針を掲げました。
給付削減で1700億円の財源捻出
子ども子育て支援金制度は2026年4月から6000億円の財源規模でスタートします。厚労省は、2023年から2025年の3年間に給付削減で捻出した財源が4300億円と説明しており、残り必要な1700億円を確保するため、高額療養費制度の限度額を引き上げによる給付削減で700億円(保険料相当部分)を捻出しました。子ども子育て支援金制度の拠出金が全国民から保険料の上乗せとして徴収されますが、高額療養費の見直し等で捻出された財源(保険料軽減分)など子ども子育て支援法に基づく支援金財源に形を変えることになります。未来の子ども達のために 子どもを持つがん患者は犠牲になれと言うのでしょうか。28年までの2年間で4000億円の給付削減を積み上げることが必要としており、24年の法改正でもその旨が明記されています。政府は「子ども・子育て支援」を盾にさらなる給付削減・負担増を国民に迫る構えです。
2025年の年間出生数が66万人8千と過去最少を更新する中で、子ども子育て支援そのものは重要ですが、財源確保は医療・介護の給付費削減や社会保険料から徴収する方法ではなく、別建てで確保するのが本筋です。
防衛費 史上最高の9兆円超積み上げ
2026年度予算案では防衛費を9兆353億円が計上され、初めて9兆円を超えました。米軍再編関係経費等を含めた防衛関係費は前年の8兆7005億円から3.8%増額しました。また、26年度税制改正大綱では、防衛財源確保として法人税とたばこ税の増税に加えて「防衛特別所得税(仮称)」を新設して所得税額の1%を上乗せが盛り込まれます。巨額な軍拡予算が、増税、医療・社会保障費削減として国民生活にのし掛かってきています。防衛費大幅増額や防衛増税を中止し、高額療養費など全世代の命綱を守るべきです。
参考資料



