【高額療養費の引き上げ】「セーフティーネット強化」の高市首相答弁は「まやかし」

2026年2月24日

2月24日の衆議院本会議で中道改革連合の小川淳也代表の高額療養費制度の見直しに関する質問に対して、高市早苗首相は「高齢化や高額薬剤の普及で高額療養費が増加。制度の持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指し見直す。年間上限の仕組みを新設した」と答弁しました。本当に「セーフティーネット強化」と言えるのか検証しました。

今般の見直しで70歳未満を対象に平均的な収入で年間上限を53万円とする年間上限額が新設されます。厚労省の試算では、年間上限の対象となる人数規模は50万人と推計されています。その一方で、年1回から年3回の利用者660万人は最大38%自己負担限度額が引き上げられます。一部に改善した方もいるが、制度利用者全体の実に8割が制度改悪となります。

【高額療養費の限度額引き上げ】制度利用者8割が値上げ 社会保険料の軽減効果は1人年1400円 受診抑制1070億円見込む – 全国保険医団体連合会

給付費で見ると「制度改悪」は鮮明です。厚労省が試算では、2026年と2027年の2年間にわたる制度改悪で給付費が2450億円(保険料削減効果が1640億円、公費削減効果が800億円)削減されます。新設された年間上限該当者(約50万人を見込む)による給付費増加額は540億円と試算されています。つまり、給付削減額(2450億円)の方が給付改善額(540億円)より約4.5倍多いことが分かります。

そもそも、高額療養費制度を利用される患者はすべて大病を患う重症患者です。現行制度の限度額も高く治療費の支払いに困難を抱えています。保団連調査でも引き上げに伴い6割が治療への影響があると回答しています。しかも、年4回以上の多数回該当の利用者(長期療養者)は限度額を据え置いただけです。長期療養者の限度額を引き下げていない見直しでどうして「セーフティーネット強化」と言えるのでしょうか?

年収200万以下の低所得者も今回の見直しで、多数回該当や年間上限は配慮されましたが、月額の限度額は引き上げられます。長期療養者や低所得者に対して「セーフティーネット強化」とは到底言えません。

中道改革連合の小川淳也代表による代表質問への答弁

 

小川淳也議員

総理の施政方針演説では、患者さんにとって極めて負担の重い高額療養費の自己負担限度額の引き上げ、そして選択的夫婦別姓については一言も触れられませんでした。国民生活や人権に直結する大事な問題ですので、総理のお考えをお聞きします。

高市早苗首相

高齢化や高額薬剤の普及などにより高額療養費が増加する中で持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指して見直すこととしている。具体的には超党派議員連盟の提言や患者団体も参加した専門委員会の議論を踏まえ年間上限の仕組みを新設することとしている。