11月15日、デジタル庁は記者会見を開き、記者からの質問に応じました。平将明大臣は、最大で5年更新とされる資格確認書を今後廃止するのか自身の考えを問われ、「状況を見ながら判断」と答えました。
資格確認書はマイナンバーカードやマイナ保険証を持たない人などに12月2日以降送られる予定です。保険証の発行が停止されてしまった後も従来通り受診するためには不可欠な存在です。政府も国民の不安を払拭するために必要と認め、周知広報の取り組みが始まったばかりですが、資格確認書が将来にわたって発行されるという保証は現状ありません。そのため、マイナ保険証を利用しない人からは不安の声が寄せられています。そうした中、大臣の発言は国民の不安を助長し、「マイナ保険証を取得しないといけない」という誤ったメッセージにつながりかねません。
マイナ保険証のメリットとして「なりすまし防止」を謳う大臣に記者は、顔写真もICチップもない資格確認書に対する考えを質問。平大臣は、なりすましのリスクは高いとし、「マイナ保険証への一本化が望ましい」と答えました。「国民の間に不安の声があるので資格確認書を残す」と説明しつつも、将来的にはマイナンバーカードでしか資格確認できない社会を目指しているのは明らかです。国民置いてけぼりのデジタル化に未来はありません。