【要望書】子どもたちの命と健康を守るため、MRワクチン及びHPVワクチンに関する要望

2025年4月21日

厚生労働大臣 福岡 資麿 様

全国保険医団体連合会
地域医療対策部
医科部長 細部 千晴

子どもたちの命と健康を守るため、MRワクチン及びHPVワクチンに関する要望

 

ワクチンで防げる病気から子どもたちの命と健康を守るためには、接種対象時期にできるだけベストのタイミングで予防接種を受けることが重要です。しかし、様々な原因で定期接種期間に接種出来ない方が少なくありません。
原因の中で特に早急に対応が必要なことは、ワクチンの供給不足や周知不足の解消です。
MRワクチンは供給が不足し、1期・2期定期接種の幼児及び風しんの5期定期接種の成人への接種が遅滞し、3月までに接種を行えなかった方がいらっしゃいます。
現在日本全国において麻しん発生の報告があります。また海外からの旅行客が増加している中で、4月から大阪万博がはじまっています。誰もが安心して妊娠、出産できる環境を整備し、二度と麻しん・風しんを流行させてはなりません。
こうした中で厚生労働省は、特例措置を適用し、MRワクチンの定期接種の期間を4月から2年間延長しました。また、公的な接種を受けていない40代から60代までの男性を対象とする追加接種についても、2025年3月末まで抗体検査を受けた人は接種期間を2年間延長となりました。しかし、これだけでは対策は不十分です。
またHPVワクチンについては、需要に供給が追い付かなくなったため昨年10月にワクチンの出荷調整が行われました。このため今年3月までに1回でも接種すれば4月以降3回目までの接種が無料になりました。しかし、短縮スケジュールにしても期限内に接種できなかった方がいらっしゃいますので、公費による接種期間延長が必要です。
こうしたことから、下記について早急に実現いただけますよう、強く要望いたします。

1.MRワクチンに関する要望書

① 麻しん・風しん対策として、職域での健康診断時に麻しん・風しんの抗体検査を実施し、いずれかの抗体価が低い人にはMRワクチンを無料で接種できるようにすること。
② MRワクチンの重要性について、政府として広報活動を行うこと。
③ 接種可能な医療機関名を、当該医療機関の了承の上、周知すること。

2.HPVワクチンに関する要望

① キャッチアップ接種利用対象者(現在高校2年生含む)に「個別通知」を行い、周知徹底すること。
② 文科省と連携し、小学6年生から高等学校に在籍する学生に、国が作成したポスターやチラシを配布・掲示するよう学校長宛てに通知を発出すること。
③ 9価ワクチンの価格の適正化をはかり、早期に男子の9価ワクチンを承認すること。HPVワクチン定期接種の対象に男子も加えること。

3.必要なワクチンが不足しないよう、国が責任を持って供給体制の安定化をはかること。

要望書[PDF:157KB]