【緊急要請】被災者「医療費免除」6月末で終了の動き 全額国庫負担の財政措置を

能登半島被災者の医療費一部負担金免除が6月末で打ち切られる可能性があります。

保団連は6月17日、以下の要請書を衆参の全国会議員と厚労大臣宛てに送付しました。

 

 

緊急要請

被災者「医療費免除」6月末で終了の動き

全額国負担の財政措置を求めます

 

能登半島地震・豪雨をはじめとする災害に対する復旧・復興へのご尽力に、敬意を表します。本会は全国の医師・歯科医師10万6000人で構成する団体です。保険医の経営と権利を守ること、国民医療の改善を目指して活動しています。

 

現在、能登半島地震で半壊以上等の被害を受けた被災者に対して、医療費の一部負担金の免除が実施されています。しかし石川県の国民健康保険および石川県後期高齢者医療広域連合においては財政上の理由で、6月末で免除が打ち切られる可能性があります。

 

一部負担金の免除にあたっては、国は昨年12月末に免除を行う保険者への財政措置の一部(特例補助)を打ち切っています。現在は一部負担金総額に占める一部負担金免除総額の割合が3%以上である場合に、その割合に応じて免除総額の8~10割を国が負担するという形になっており、多くの被災自治体に財政負担が生じる仕組みとなっています。免除の継続には、特例補助を復活させることが不可欠です。

 

当会の加盟団体である石川県保険医協会の実施した調査(6月2日時点の中間報告、別紙参照)によれば、免除が打ち切られた場合、被災者は「生活費を切り詰めて医療費にまわす」(1,045件、65.5%)、「受診回数を減らす」(667件、41.8%)、「受診せずに我慢する」(393件、24.6%)と回答しており、自由意見欄では、住居や生活の再建に加えて近年の物価高騰でさらに経済的に苦しい、との意見が目立ちます。医療機関からは「経済的理由で受診回数が減る」、「重症化の恐れがある」等の健康悪化を心配する意見が多く寄せられています。免除の打ち切りにより、経済的理由による受診手控えが生じることは必至です。

 

被災し未だ過酷な状況にある患者の病体悪化や災害関連死のさらなる増加を防ぐため、以下の通り要望します。ご尽力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

一.能登半島地震被災者への医療費等一部負担の免除対象期間は、被災者が被災前の生活に戻るまで継続すること。保険者の財政的負担が生じないよう、特例補助を復活させること

以上

※石川県保険医協会実施のアンケートの詳細は以下のURLよりご覧いただけます。

能登地震 医療費免除打ち切りで「通院に影響」8割超(アンケート中間報告)