高額療養費制度、薬の負担増の白紙撤回を求め国会前でアピール

2026年3月20日

 高額療養費制度の自己負担限度額引き上げを盛り込んだ2026年度予算案について、3月13日、わずか59時間の最短審議で衆院を通過。さらに薬の追加負担を盛り込んだ健康保険法改正案も同日に閣議決定されました。保団連は19日、国会前で患者さんとともに予算案の強行採決に抗議し、参議院での徹底審議と白紙撤回を求めてアピールしました。医師・歯科医師、国会議員ら約150人が参加しました。

保団連・竹田智雄会長

ロキソニンやアレグラを処方した患者さんに負担増計画の話をすると眼差しが変わり、多くの人が署名に協力してくれる。国民皆保険制度の形骸化につながり、公的保険医療の根幹にかかわる改悪だ。絶対に許してはならない」と訴えました。

板井さん(乳がん治療中)

集会でマイクを握った板井さんは、乳がん治療で高額療養費制度を利用し、現在もホルモン療法で治療中といいます。「手術や抗がん剤治療中は収入が激減し、貯金を取り崩しながら治療しました。この場に来られたかった仲間の中には、これ以上自己負担が増加したら治療を続けられない、自分の治療より子供の進路にお金を使いたいという人がたくさんいます。病気をしたら終わりという人生にならないよう、国は安心を提供するのが務めではないでしょうか」と力を込めました。

矢作さん(大腸がんサバイバー)

大腸がんステージⅣから寛解した矢作さんは「制度を守るために命を切り捨てないでほしい。ペットボトル1本分の負担で、いざという時に今まで通り医療を受けられるなら、現状のままがいいに決まっています」と引き上げの反対を訴えました。

大藤さん(難病患者の家族)

大藤さんは息子さんが難病の魚鱗癬を患っています。「日常生活を送るためには複数の薬が必要だが、主に使う薬がすべて追加負担の対象になっており、不安が尽きません。誰もが安心して医療にかかれる社会であってほしい。息子をはじめ重い病で声を上げられない、行動できない人たちの分も一緒に頑張りましょう」と呼びかけた。

池田さん(家族全員が花粉症に苦しむ)

家族全員が花粉症を抱えているという池田さんは、「いま処方してもらっている薬を市販で購入した場合、家族で1シーズン2万円ほど負担増になる計算です。花粉症の薬は贅沢な薬ではありません。 子供が学校で学び、大人が働き、普通に生活するための薬です。必要な治療を誰もが安心して受けられる医療制度を守ってほしい」と訴えました。

大阪協会・宇都宮健弘理事長

政府が医療費を抑える一方で、軍拡やアメリカ追従、富裕層向けに予算を使おうとしていると批判。「経済の語源をたどれば、『経世済民』、つまり民衆の苦しみを救うためにあるべきなのに、国民の健康と命を守らない政策は本末転倒だ」と話し、真の医療と健康を守る運動を継続していく決意を述べた。

愛知協会・荻野高敏理事長

OTC類似薬の追加負担について、「まっとうな根拠がなく、ただ患者負担を増やしたいだけだ」と批判。野党議員が減少したため署名の引き受け議員の確保が難しくなっている現状を危惧しつつ、「医師は患者に直接働きかけられる利点がある。すべての患者に署名を呼び掛けて、集まるのは1日数十筆ほどだが、地道に活動を続けている」と報告しました。

静岡協会・山田美香理事長

「国民は決して安くない社会保険料と3割の自己負担を既に支払っており、さらなる負担増は不当だ。経済的理由で受診できない患者が増加し、口腔崩壊など重症化する事例が見られる。医療は社会保障であり、国民がお金の心配をせずに早期受診できることが重要だ。防衛費よりも国民の命と健康を守る『安全保障』を優先すべきだ」と話し、さらなる負担増に反対して団結して闘うことを呼びかけました。

栃木協会・天谷静雄副会長

花粉症患者が薬の負担増で次々と署名に応じていることを報告。リウマチ患者の負担の具体例として、1本10万円の注射薬の自己負担が3割で3万6千円、2割で1万8千円となり、経済的に困難な患者が十分な治療を受けられない現状を指摘しました。政府が軍拡と防衛費特別増税を推し進めながら社会保障を削減していることを批判し「社会保障を充実させることが国民の暮らしと経済を豊かにする。戦争に反対し平和を守るために頑張りたい」として、参加者の団結を呼びかけました。

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