【談話】パブコメ5万3千人の声を受け止め、現行の健康保険証の存続を求める

【談話】

パブコメ5万3千人の声を受け止め、現行の健康保険証の存続を求める

2024年9月6日
全国保険医団体連合会
会長 竹田智雄

厚労省は8月30日、現行の健康保険証の廃止に関わる省令改正のパブリックコメント結果を公表した。短期間のうちに53028件もの意見が提出され、その大多数が保険証の存続を求める意見やマイナ保険証への一体化に反対、懸念を示す意見であった。
しかし、5万3千件のコメントに対する回答はわずか5頁にまとめられ、その内容も、12月2日の保険証の新規発行停止を前提にこれまで重ねてきた弥縫策をあらためて説明しているに過ぎない。
パブリックコメントに寄せられた多くの国民の意見を重く受け止め、国民の多くが抱えるマイナ保険証への不安、懸念を払拭するために、ただちに現行の健康保険証の存続を決断すべきである。
日本の公的医療保険制度は、券面に資格情報が記載された健康保険証が、すべての被保険者に漏れや遅滞なく交付されることで、医療機関窓口でのスムーズな資格確認を可能にし、すべての国民に医療へのアクセスを保障してきた。すべての国民に、漏れや遅滞なく被保険者証を交付することは国、保険者の責務である。
そもそも任意であるマイナカードを、皆保険制度下、すべての国民に給付すべき保険診療の資格確認に用いることに無理がある。マイナ保険証を持たない人への措置として資格確認書が交付されるが、法令上は申請が必要とされており、マイナ保険証を持っている場合は原則交付されない。
医療現場ではマイナ保険証をめぐる様々なトラブルが12月2日まで3カ月を切った現在でも続いており、いったん10割負担となるケースや受診を諦めるケースまで起きている。マイナ保険証のみでは、国民の医療へのアクセスを保障することはできない。
武見厚生労働大臣は「不安解消の努力を徹底する」(9月3日記者会見)と述べているが、それならば健康保険証を残すことこそが必要である。すべての国民に医療へのアクセスを保障するため、現行の健康保険証の存続を強く求める。

以上