特集「食べ物が足りなくなる前に part2」
現在、世界の人口約80億人のうち約7億人が食料不足に苦しんでおり、今後、人口爆発や気候変動の深刻化によりさらに食料危機が拡大する可能性が指摘されている。日本の食料自給率はカロリーベースでわずか約38%。コロナ禍では流通に支障が生じたほか、ウクライナ侵攻や急激な円安の影響で食料品などの物価が高騰し、自給率の低さが危機に対して脆弱であることが露呈された。なぜ、日本の食料自給率はここまで低下してきたのか? 日本に届けられる食料の生産や流通のシステムは安定的なのか? 食料危機に対して、国は十分に対応しているのか? 大きな反響が寄せられた2022年11月号の特集「食べ物が足りなくなる前に」の続編として、健康の維持と命のためになくてはならない〈食〉の安定的な確保を考える。
今、食料の安全保障が問われている
鈴木 宣弘
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