月刊保団連2022年12月号

「道」

銃撃事件があぶり出した日本の暗部 憲法に立ち返り「戦略なき対米従属」から脱却を

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島田 雅彦

特集「「食べる」「話す」「息をする」が苦手な子どもたち口腔機能の発達と育成支援」

口には、「食べる」「話す」「呼吸する」などの様々な働きがある。これらは、しっかりと噛みしめ、口を閉じたり、舌を上手に動かしたり、といった基本的な機能が備わっていることによって可能になるが、近年、これらの口腔機能が十分に発達していない子どもが増えている。
特集では、口腔機能の仕組みや発達について解説し、口腔機能発達不全症や、潜在する小児の閉塞性睡眠時無呼吸症などへの対応を考える。

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現代日本人の歯並びが最悪なワケ人類学から考える咀嚼器の発達と退縮

人類は、硬い植物を食べるために咀嚼器を発達させたことがあったが、道具使用と肉食によって咀嚼器を退縮させた。その過程で、喉頭が頸まで下降し、睡眠時無呼吸の究極要因が生まれた。ただし、その後でも、例えば縄文人は、歯列が広くて歯並びがよく、正常な口腔容量を保っていたので、睡眠時無呼吸を起こすことはなかっただろう。ところが、歴史時代になると、調理技術が進み、顎と歯槽骨の発達が阻害された。さらに、現代日本人では、歯並びが極端に悪くなり、口腔容量が不足し、それが至近要因となって、しばしば睡眠時無呼吸を起こす。究極要因は変えられないが、至近要因は変えられるはずだ。

馬場 悠男

小児期における口腔機能育成について

現代社会において、人生100年時代を豊かに生きるためには食力向上による健康寿命の延伸がカギとなる。そこで重要になるのが幼児期からの歯や口腔の健康づくりである。本稿では、乳児期から青年期までライフステージごとに口腔機能の発達について概観するとともに、口腔機能発達不全症が保険収載されるまでの経緯と意義について解説したい。保険収載の目的は、健常な子供たちへの歯科的アプローチが必要であるとの認識の下、子供たちが年齢とともに獲得する機能を正常な状態に導くことにある。

朝田 芳信

地域の開業医における

口腔機能発達不全症の対応

「口腔機能発達不全症」は、小児の口腔の発達に関わる疾患です。地域の歯科医師は、歯科診療を通して早期発見し、口腔機能発達のために「正しい食べ方(咀嚼・嚥下)や鼻呼吸」などのよい生活習慣を身に付けるよう支援・指導をしています。また、保健所や園・学校の歯科健診においても、早期発見、適切な対応に努めています。今後、保育・医療・教育・福祉などの多職種と連携して、歯科保健教育などを通して周知啓発を図り、子どもの口腔機能の健全な育成を推進していくことが重要です。

浜野 美幸

子どもの閉塞性睡眠時無呼吸症耳鼻咽喉科の立場から

小児における閉塞性睡眠時無呼吸症はまれな疾患ではない。しかしながら成人とは異なり、小児ではその身体的特徴や成長発達において同じ疾患、症候名であっても同様に考えて診療できないとされている。日本では潜在患者も含めると相当数の患児が未治療のまま放置されている可能性があり、患児の健全な成長発達のためにも、積極的な診断・治療介入が必要である。

中島 逸男

論考

運用開始の4割でトラブル義務化の除外・経過措置を求める

政府は、医療機関等でのオンライン資格確認システム導入を原則義務化し、2024年秋に保険証廃止を目指す方針を表明した。医療現場や患者の間で不安と懸念、怒りが広がっている。保団連は、オンライン資格確認義務化、保険証廃止に対する医療現場の実態・意識調査を実施している。これまで寄せられた回答の速報を報告する。

全国保険医団体連合会

診療研究

心不全治療の新たな展開(6)レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を意識した心不全管理

心不全治療の本幹は交感神経系、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)、ナトリウム利尿ペプチド系の神経液性因子を抑制することである。RAASを抑制する薬剤としてRAS阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、ミネラルコルチコイド拮抗薬、アンジオテンシ
ン受容体ネプリライシン阻害薬)とナトリウム利尿ペプチド(ANP)があり、それらの適切な使用は臓器障害や生命予後に強く関与する。

瀬在 明

罹病30年以上の糖尿病患者は発症年齢で差があるか 開業医が管理している113人の解析

「極めて長い罹病期間30年以上である糖尿病患者113人」を対象者とし、発病30歳未満(A群)、30〜39歳(B群)、40〜49歳(C群)、50歳以上(D群)に分け、危険因子としての「発症年齢」の重要性を検討した。①インスリン治療はA群が一番多くD群が一番少ない、②細小血管症は4群間に差がない、③降圧剤の使用頻度およびCVDはA群が一番少なくD群が一番多い、④がん罹患はA群に比較してD群にやや多い傾向を認めた。

伊藤 眞一

文化

薬の発明よもやま話 第1回 火薬から生まれた医薬

「クスリ」といっても、病気の治療を目的とした医薬ばかりではない。危険な火薬や爆薬、あるいはヒトや動物を殺害する目的で用いられる毒薬なども「クスリ」である。今回は火薬とそれから生まれた医薬についてお話ししてみよう。

笠原 浩

経営

【経営・税務誌上相談】税務署の更正処分に不服がある場合

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益子 良一

【雇用問題】雇用期間満了まであと半年の職員を解雇できるか

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曽我 浩

【患者トラブル相談室】ネットへのネガティブな書き込み(8)悪質書き込み削除の最終手段

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尾内康彦

ドクターの課外活動

一刀三拝の思い。「ふるさと百景」を夢見て

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天谷 静雄