3月29日 地方創生及びデジタル社会形成等に関する特別委員会
芳賀道也参議院議員
厚労省は3月23日、社会保障審議会医療保険部会にて、これまで病院・診療所がCD-ROMなど、光ディスクを使って診療報酬明細書の請求を健康保険組合や国民健康保険組合など保険者に行っていた場合に、原則2024年9月末までにオンライン請求に移行するよう実質的に義務付ける「ロードマップマップ案」を示しました。CD-ROMなど光ディスクでレセプト請求をしてきた医療機関は、レセプトのオンライン請求が原則義務化とされていますが、基本的考え方にあるように、例外となるのはレセコンを保有していないが、外部委託でCD-ROMなど、光ディスクでレセプト請求をしているごく一部の医療機関だけで、他の全ての光ディスクでレセプト請求している医療機関はオンライン完全義務化になってしまうのではないでしょうか。いかがでしょうか。
厚生労働省大臣官房森光審議官
3月23日に開催されました社会保障審議会医療保険部会におきまして、昨年6月に閣議決定されました規制改革実施計画に基づきまして、オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップが取りまとめられたところでございます。
このロードマップにおきましては、光ディスク等により請求を行う医療機関、薬局につきまして、令和5年4月からのオンライン資格確認の原則義務化によりまして、オンライン請求も可能な回線が敷設されると、こういう機会を捉えて、令和6年9月末までに原則オンライン請求に移行することをロードマップとして示しております。一方で委員がご指摘されましたように、レセコンを保有せず外部委託により光ディスク等による請求を実施しているなど、令和6年9月以降も光ディスク等による請求をせざるを得ない医療機関・薬局については、移行計画の提出を求める、これによりまして1年単位で引き続き光ディスクによる請求を可能とすることを盛り込んでいるところでございます。
こうした取り組みを行うことで、令和6年9月末までにオンライン資格確認を導入した全ての医療機関・薬局が、オンライン請求に移行するということを目指すということとしております。医療機関・薬局にはオンライン請求のメリット、これを理解いただきながら、わかりやすい情報発信や個別の事情、これを踏まえた対応を行うことが重要であると考えておりまして、厚生労働省、関係団体、システム事業者など関係者が一丸となって取り組みを進めていきたいと考えておるところです。
芳賀道也参議院議員
ズバリお答えいただくと、この例示以外にも例外はあるということでいいんですか。
森光審議官
ただいま申し上げた取り組みを行うということで、令和6年9月末までにオンライン資格確認を導入した全ての医療機関・薬局をオンライン請求に移行することを目指しております。一方で、光ディスク等で請求を行う医療機関・薬局のうち例えば光回線が未整備である離島・山間地域に存在するなどやむを得ない事情によりオンライン資格確認の経過措置に該当するような場合、これは、オンライン請求の移行についてもやむを得ない事情があると考えておるところでございます。
芳賀道也参議院議員
こういった移行をスムーズに進めるためにもきちんとこういった場合は例外だよということを、事前により早く示すのが必要だと思いますので、その辺の情報提供、混乱を招かないための取り組みをお願いしたい。
次に元々歯科医師のクリニックでは、売り上げに比べて高額な診療機器を導入しなければならず治療に直接役立たない設備投資には慎重になっています。さらに新型コロナで患者の治療が少なくなり、オンライン資格確認の義務化による設備導入が大変経営に負担をかけています。オンラインで常時接続になるとセキュリティの費用もかかり、厚労省のガイドラインにより高度なセキュリティを入れる必要性も生まれ、コンピュータセキュリティ費用そのものもかさみます。さらにその上にレセプトのオンライン請求義務化では、歯科医師がクリニックを閉じる例が増えてしまう心配があります。
医療DXを旗印にして地域医療にかえって混乱を持ち込み、医療機関の経営を窮地に追い込むようなロードマップには非常に問題があると考えますが、厚労省の見解はいかがでしょう。
森光審議官
今回作りましたロードマップでございますが、これは厚生労働省におきまして、光ディスク等や紙レセプトにより請求を行っている医療機関、薬局の実態を調査把握した上で作られたものでございます。
おたずねの歯科医療機関では相対的に、議員ご指摘のように光ディスク等による請求を行っている施設が多いということでございますが、実態調査によりますと、約半数の医療機関・薬局が令和5年度中に既にオンライン請求を開始する予定であるという報告をいただいております。
また、オンライン請求に移行する上でのハードルをお尋ねしておりますと、やはり移行を検討する上で欲しい情報ということで、情報セキュリティの確保の仕方、オンライン請求の仕方、費用の見込みといったようなことを指摘するご意見が多くございました。
こういうことを把握した上で、厚生労働省においては、オンライン請求への移行を促進するために、オンライン請求の方法についてのわかりやすい説明、オンライン請求のメリットや情報セキュリティについての理解・安心を得られるような具体的内容や説明、これらをしっかりと周知・広報するということで、関係者が一丸となって医療機関や薬局に対して様々なチャンネルから情報提供行うということとしておりまして、地域医療に混乱を招くことがないように丁寧に取り組みを進めたいと考えておるところです。
芳賀道也参議院議員
混乱が本当にないようにしていただきたいですし、CD-ROMや光ディスクなどレセプト請求が全てオンライン請求になると、社会保険診療報酬支払基金では大幅なコストカットになると聞いていますが、この支払基金のコストカットのために、全国の医師が手間と費用をかけてレセプト請求をオンライン化し、そのことの中には歯科医師が廃業を余儀なくされるのが、国民の健康にとってかえってマイナスで、本末転倒ではないかと思います。またオンライン請求のためにかかる設備投資について、厚労省では補助金などを考えていないのでしょうか。
森光審議官
レセプトのオンライン請求につきましては平成20年度から医療機関の規模に応じて順次義務化することとしていた中で、平成21年には補正予算により補助金を確保し、医療機関等におけるレセプトコンピューターと購入等にかかる費用を補助してきたところでございます。これまでに医療機関のベースとしては70%、レセプト件数分ベースでは86%が既にオンライン請求をなされているという状況でございます。
現在、厚生労働省といたしましては、医療機関等におけるオンライン資格確認これの導入に対しまして顔認証付きカードリーダーの無償提供を実施している他、システム改修費用について補助金を交付しております。
さらに、来月から原則義務化されることを踏まえまして、昨年8月に診療所、中小薬局の場合は4分の3補助から上限内での実費補助に改めるなど補助金の拡充を行ってきたところでございます。
この補助金によりまして、オンライン資格確認の導入と同時にレセプトのオンライン請求、この改善の初期導入やレセプトコンピューターの改修等、これを可能としております。またオンライン資格確認のため、敷設したネットワーク回線をレセプトのオンライン請求に活用するということも活用になっております。こうした政策を通じましてレセプトのオンライン請求への移行を促進してまいりたいと考えておるところでございます。
芳賀道也参議院議員
急ぐことなく、しっかりと混乱がないようにお願いします。時間となってしまいましたのでこれで質問を終わりますがその他の質問のご準備をくださった官僚の皆さん時間がなくなって申し訳ございませんでした。また、この問題については質問をさせていただきます。ありがとうございます。