410億投入も電子処方箋低迷 医科診療所2.11%、病院1.48%

電子処方箋の運用開始施設数・開始率(施設別)

 施設数(A)運用開始施設数(B)
運用開始率(B/A)
病院8,1561211.48
医科診療所105,18222162.11
歯科診療所67,755820.12
薬局62,3751975031.7
全体243,468221699.1

※施設数は2022年度医療施設調査、薬事調査。電子処方箋の運用開始数は厚労省資料。運用開始率は運用開始施設/全施設数

 

2023年1月26日より全国で「電子処方箋」の運用が開始され1年4カ月となります。

病院で運用開始は121施設

 厚労省は5月19日時点の電子処方箋の運用開始施設数が、医科診療所2216施設、歯科診療所82施設、薬局19750施設、病院121施設であることを公表しています。病院での運用開始は121施設にとどまります。

医科診療所はわずか2.11%

 施設数(2022年度)に占める割合で見ると、病院施設1.48%、医科診療所2.11%、歯科診療所0.12%、薬局31.66%でした。全施設でも9.11%にとどまりました。

補助金だけで410億円投入

政府は、電子処方箋の普及になりふり構わず税金を投入しています。補助金だけで410億円の税金投入です。2023年補正予算で政府は、電子処方箋の機能拡充の促進で76億円、電子処方箋の活用・普及の促進で162億円を投入。2024年度予算で電子処方箋を導入する医療機関・薬局などに172億円の予算を計上しました。

電子処方箋導入してなくても6月から診療報酬加算

6月の診療報酬改定で医療DX推進体制整備加算が新設されるなど診療報酬も投入します。当面は経過措置があり電子処方箋を導入していなくても加算が算定できます。

税金でシステム業者が儲かるだけ

国民の税金を投入してふり構わず普及を進めてますが、医療機関や病院での普及率は低迷し続けています。手間だらかでほとんどメリットが感じられない電子処方箋の普及策に多額の税金を投入する姿勢は、システム業者だけを儲けさせる意図があると考えざるを得ません。強引な普及は中止すべきです。

参考:【2024年診療報酬改定】強引なマイナ保険証推進 補助金だけでなく診療報酬も追加投入